競艇の部品交換は、モーターの調子が上がらないときに、選手が部品を替えることです。どの部品を替えたかは、直前情報や、場が出す出走表に記号で載ります。
Yahoo!知恵袋には2020年に「競艇で部品交換は、いつのタイミングでしてるんでしょうか?当日?前日?周回展示の後など」という質問が出ていました(質問ページ)。
ボートレース江戸川の公式の出走表には、その節(数日続く1つの開催)の部品交換が日ごとに書かれた欄があります。2026年の7節分を書き写して数えると、交換は120件でした。6割はピストンリングで、1つの節で使われたモーターの4台に1台ほどに交換の記載がありました。
読み終えると、部品交換の表示の読み方と、それがどのくらいよくあることなのかが分かります。数えるのに使ったのは、公式の出走表と、ZEN AI LAB が作って販売している自社ツールで集めた研究用データベースです。競艇のデータで何が数えられるかの全体は、競艇のデータの見方と集め方にまとめています。
部品交換は、モーターの整備がうまくいかないときに部品を替えること
BOATRACE 公式サイトの用語辞典の説明は、1文だけです。「モーターの整備が思うように仕上がらないとき、レーサーはさまざまな部品を交換してパワーアップを図る。」
モーターは選手の持ち物ではありません。用語辞典では、どの選手がどのモーターを使うかは「節ごとに抽選で決まる」とあります。選手は、抽選で当たったモーターを、その節のあいだ整備しながら使います。モーターの数字の読み方は競艇のモーターの見方にあります。
プロペラ(ペラ)も、用語辞典ではこう説明されています。
- 「以前はレーサーの持ち物だったが、現在は抽選によってモーターに備え付けられるかたちで各レーサーに提供されるようになった。」
- 「その調整によってはモーターの調子を左右することもあるため、レーサーにとっては重要な調整ポイントになっている。」
出走表の記号は、9つの部品を1文字で表す
江戸川の出走表の「今節の部品交換」の欄には、記号の見方が書かれています。モーター番号のあとに、部品を1文字で付ける形です。
| 記号 | 部品 |
|---|---|
| ピ | ピストン |
| リ | ピストンリング |
| ク | クランクシャフト |
| シ | シリンダーケース |
| キ | キャブレター |
| ギ | ギヤケース |
| デ | 電気一式 |
| ボ | キャリアボデー |
| プ | プロペラ |
たとえば「58-リ」は、58号機のモーターでピストンリングを替えた、という意味です。BOATRACE 公式サイトのレースごとの直前情報の画面にも、「部品交換」の欄があります。
江戸川の7節で、部品交換は120件。6割がピストンリング
江戸川の公式サイトで、2026年の節から月に1つほどを選んで最終日の出走表を開き、読めた7節を数えました(選び方は LAB 記録)。最終日の出走表なので、前日までの交換が書かれています。

120件のうち75件(62.5%)がピストンリングでした。次がピストンの17件(14.2%)、プロペラの11件(9.2%)です。キャブレターは7件(5.8%)で、そのほかの部品は2〜3件ずつでした。シリンダーケースは7節で0件です。
1節で使われたモーターの4台に1台ほどに、交換の記載があった
7節で使われたモーターは、データベースで数えるとのべ339台でした(1節あたり47〜52台)。そのうち交換の記載があったのは84台で、24.8%です。

節によって差は大きく、少ない節は8件、多い節は25件でした。84台のうち22台は、同じ節の中で2回以上、記載がありました。4月の節の58号機は、1日目にリングとプロペラ、4日目にキャリアボデー、5日目にピストンとキャリアボデーと、3日に分けて替えています。
5月の節は、江戸川で新しいモーターとボートに替わった最初の節でした。出走表の欄にも「全基新ボート・新モーター・新プロペラ」と書かれています。この節の交換は10件で、記載のあったモーターは13.5%でした。1節だけなので、新しいモーターだから少ないとまでは言えません。
1台のモーターの1日に直すと、レースのあった日に出走表の欄に記載があったのは、のべ107台日でした。使われたモーターののべ1,663台日に対して6.43%で、モーター1台につき約15日に1回ほどの割合です(江戸川の7節の場合)。
交換の記載は、初日から5日目までのどの日にもある

江戸川の欄は、「非開催日」と「1日目」から「6日目」(節によっては「7日目」)までの行に分かれています。7節の合計では、1日目17件、2日目22件、3日目31件、4日目17件、5日目29件と、どの日にも交換がありました。最終日は、最終日の出走表に載らないので数えていません。レースの無い非開催日の行にも、2つの節で計4件の記載があります。
部品の顔ぶれは日で少し違いました。1日目の17件はピストンリング12件とプロペラ5件だけで、プロペラ11件のうち5件が1日目でした。2日目以降は、ピストンやキャブレターの記載も混ざります。
ただ、この欄は日ごとの記録です。その日のレースの前か、展示のあとかといった時刻までは書かれていません。レースの直前の状態は、BOATRACE 公式サイトのそのレースの直前情報の欄で見ることになります。展示の数字の見方は競艇の展示データの見方にまとめています。
部品交換は、ZEN のデータベースには入っていない
ZEN AI LAB の研究用データベースには、部品交換の列がありません。データを集める自社ツールが読む出走表・直前情報・結果のデータに、部品交換の項目が無いためです。公式の競走成績のファイルにも、部品交換の欄はありませんでした。
そのため、この記事の120件は、江戸川の出走表 PDF を1節ずつ開いて書き写したものです。7節を写すだけでも、欄を1行ずつ読み、記号を部品名に直す作業が要りました。部品交換を自分で集めるなら、場の出走表や直前情報から写すことになります。
一方、モーター番号・展示タイム・チルト・結果は、データベースに入っています。部品交換の欄を写した表と、モーター番号でつなげば、自分で突き合わせられます。出走表や結果を何年分も集めるところは、ツールに任せる手もあります。
出走表と直前情報を何年分も集めるところを任せるなら
ZEN AI LAB の自社ツール BoatData Collector Pro は、この記事でモーターの台数を数えた研究用データベースを作ったツールです。期間と競艇場を選んで、競艇の公開データをまとめて集める Windows 用のツールです。
- 出走表・展示/直前情報・結果・払戻を取得し、SQLite にためます
- 取得済みのデータは取り直さず、次は続きから取得します。Excel・CSV に書き出せます
使う前の注意
- 部品交換は取得していません。モーター番号・展示タイム・チルトは入ります
- 予想・買い目・自動投票の機能はありません。集めて保存し、出力するまでです
- 公式サイトや BOATRACE とは関係のない、非公式のツールです。データの正確性は保証していません
- 無料版があります。無料版で取得できる期間は直近30日までです。それより前の期間は製品版で取得します
くわしくはBoatData Collector Pro 無料版のページと、BoatData Collector Pro のページにあります。
競艇のデータを、何か月分も自分で集めて数えるなら

BoatData Collector Pro は、競艇の公開データを期間と競艇場を選んで集め、Excel・CSV に書き出す自社ツールです。予想や買い目は出しません。保存できるのは2016年10月1日以降のレースです。
- BoatData Collector Pro:6,000円(買い切り・note。ココナラでも6,000円)
- 分析版 BOAT DATA PRO:10,000円(ココナラ)。集めたデータを進入コース別・選手別などに集計する画面つき
- 無料版:直近30日まで(LINEで受け取り)
価格は2026年11月7日の表示です。変わることがあるので、買う前に各ページで確かめてください。Windows 11(64bit)用です。
確かめたことと、データでは分からないこと
部品交換とプロペラの説明は、2026年11月7日に BOATRACE 公式サイトの用語辞典を開いて読みました。江戸川の出走表は、同じ日に江戸川の公式サイトで1節ずつ開いて写しを保存し、欄を画像にして目で読みました。モーターの台数は、研究用データベース(2023年1月1日〜2026年9月27日)を読み取り専用で開いて数えました。計算の前に計画を書いてから数えています。
データでは分からないことは、次のとおりです。
- 全国の部品交換の数。数えたのは江戸川の7節だけです。ほかの場の出走表は開いていません
- 部品交換をしたモーターと、その後の着順の関係。部品交換は7節を手で写した分しかなく、この記事では数えていません
- ピストンリングの交換が多い理由。公式の説明は見つかりませんでした
数字は過去の出走表を数えたものです。部品交換があったモーターがこの先どう走るかを約束するものではありません。
まとめ
- 部品交換は、モーターの整備が思うように仕上がらないときに、選手が部品を替えることです
- 江戸川の7節で120件あり、62.5%がピストンリングでした。1節で使われたモーターの24.8%に記載がありました
- 交換は初日から5日目までのどの日にもあり、レースの無い日に替えた記載もありました
- 直前情報で部品交換を見たら、まず記号でどの部品かを確かめる
- 江戸川の7節では、出走表の欄の記載はモーター1台につき約15日に1回で、6割がピストンリングでした。表示を見たときの頻度の目安にする
- 同じ節で何度目の交換かを、場の出走表の欄で確かめる(84台のうち22台は2回以上でした)。展示の数字と並べて見るなら競艇の展示データの見方へ
LAB 記録(読み飛ばしてかまいません)
- 開いた出走表は、江戸川の公式サイトの PDF(2026年8月26日の例)です。7節は、2026年1月2〜7日・3月15〜20日・4月13〜18日・5月11〜16日・6月24〜29日・8月21〜26日・9月18〜23日です
- 選び方: 2026年1〜9月の節から、6日間の節を月に1つほど選び、最終日の出走表を9本開きました(1月は2節)。7月23〜28日の節の PDF は開けず(404)、1月10〜15日の節の出走表は5日目なのに3日目と4日目の行が空欄で、記入が無かったのか交換が無かったのか分からないため除きました。2月は、別の記事のために開いた節の途中(4日目)の出走表しか無いので使っていません。ほかの節は開いていません
- どれも最終日の出走表なので、最終日のレースのあとの交換は入っていません
- 1台1日あたりの割合は、レースのあった日に記載のあった「日とモーター番号」の組107(非開催日の4件を除く。件数では116件で、同じ日に同じモーターで2件ある組が9つ)を、初日から最終日の前日までにデータベースの出走表に出た「日とモーター番号」の組の数1,663で割ったものです(計画の後に足した集計・calc_k71_add.py)
- 欄の文字は、PDF から文字を抜き出したものと画像を突き合わせて書き写しました
- 「使われたモーター」は、データベースで同じ節の初日から最終日の前日までの出走表に出たモーター番号の種類です。交換の記載のあったモーターは、すべてこの中に入っていました
- 同じモーターに2回以上の記載があったときは、件数では2件、台数では1台と数えました
- 用語辞典は WebFetch の単発の取得で、1文ずつ引用の形で読みました。直前情報の画面は、2026年8月26日の江戸川12Rの1ページだけを開いて、欄の見出しを確かめました
- 悩みの原文は、2026年11月7日に質問ページを開いて照合しました
- 販売ページ2つは、2026年10月29日に開いて読んだ内容で書いています

