競艇のレースが中止・順延になったら、実施できなかったレースの舟券は無効になり、買った金額が返還されます。翌日のレースに持ち越されることはありません。途中で中止になった日でも、それまでに確定したレースの舟券は、そのまま有効です。
Yahoo!知恵袋にも2017年に「舟券を購入したあとに中止順延となりました。うちに帰ったあとで知ったことです。この場合は返還になるのでしょうか?」という質問が出ていました(質問ページ)。1Rに買った舟券は、翌日の1Rの結果で払戻になるのか、とも尋ねていました。
この記事では、その扱いをモーターボート競走法の条文と、ボートレース江戸川の公式の案内で確かめます。そのうえで、ZEN AI LAB が約21万レース(2023年1月〜2026年9月)で数えた中止の形を並べます。中止は約72レースに1回で、1日のレースが全部中止になる日がいちばん多い形でした。
数えたのは、ZEN AI LAB が作って販売している自社ツールで集めた研究用データベースです。欠場・失格を含めた舟券の扱いの全体は、競艇のルールにまとめています。
中止になったレースの舟券は、無効になって返還される
モーターボート競走法の第18条は、舟券を売ったあとに次のことが起きたら「その投票は、無効とする。」と決めています。
- 「出走すべきモーターボートがなくなり、又は一隻のみとなつたこと。」
- 「競走が成立しなかつたこと。」
- 「競走に勝舟がなかつたこと。」
無効になった舟券を持っている人は、「その券面金額の返還を請求することができる。」とあります(同条第6項)。
場の案内も同じ向きです。ボートレース江戸川の公式の出走表には、前売りの舟券について次のように書かれていました(2021年9月の出走表)。
前売投票券発売後、悪天候等によりレースが中止順延又は途中中止となった場合は、すでに発売された勝舟投票券の内、競走を実施できなかったレースの分は、すべて無効となり返還させていただきます。

冒頭の質問の、1Rに買った舟券は翌日の1Rの結果で払戻になるのか、という点にはこの案内で答えられます。順延で実施できなかったレースの舟券は無効になるので、翌日のレースの結果で払戻になることはありません。返還を受け取る形になります。
途中で中止になった日は、確定したレースの舟券はそのまま
2026年2月の江戸川の出走表には、もっと短い書き方がありました(2026年2月11日の出走表)。
- 「【発売後の途中中止】未確定レースのみ返還」
- 「【欠場艇】当該レース確定後に返還」
たとえば7Rから中止になった日なら、6Rまでに確定したレースは、ふつうに払戻があります。返還になるのは、7Rから後のまだ確定していないレースの舟券です。
返還は60日のうちに受け取る
法律の第20条で、払戻金も返還金も、受け取れるようになってから60日間受け取らないと、時効で消えます。江戸川の出走表にも「払戻・返還の時効は60日」とあります。中止になった舟券も、捨てずに60日のうちに受け取ってください。
場の窓口で買った舟券なら、江戸川の出走表の案内では、全国総合払戻サービス「どこでもはらいおん」の窓口で「全国で発売された舟券の払戻が可能です」とあります。ただし「高額(100万円以上)・汚損券の対応は購入場のみ」「休館日の払戻なし」で、「破損券は無効」です。舟券は折ったり汚したりせずに持っていきます。
インターネット・電話投票で買った分は、使っている投票サービスの購入履歴と案内で、返還の扱いを確かめてください。
中止は約72レースに1回。1日全部の中止がいちばん多い
研究用データベースの210,600レースのうち、中止は2,938レースでした。1.40%で、約72レースに1回です。中止のあった「場と日」は366で、形ごとに分けると次のようになりました。

中止のレースの71.48%は、1日全部の中止でした。途中から最後まで中止が27.57%、1レースだけが0.95%です。
1日全部の中止と順延は、このデータでは区別できません。番組が出たあとに中止になった日はレースの行が残りますが、その日が翌日以降に順延されたのか、取りやめになったのかは記録にありません。番組が出る前に順延が決まった日は、レースの行そのものが無く、175日にも入っていません。
1レースだけの中止は、フライングで走る艇がいなくなったレース
1レースだけ中止になった28レースを見ると、27レースは5艇以上がフライングで欠場していました(5艇が21レース、6艇が6レース)。走る艇が1艇以下になったレースです。法律の「出走すべきモーターボートがなくなり、又は一隻のみとなつたこと」に該当する形で、天気の中止とは別のものでした。
残りの1レース(2025年12月22日の津5R)は、6艇すべてが失格でした。
フライングの扱いと頻度は競艇のフライングとはにまとめています。
途中からの中止は7Rからが多く、その前に周回短縮があることが多い
途中のレースから最後まで中止になった163日で、どのレースから中止になったかを数えました。

7Rからが36日でいちばん多く、8R以降は17〜23日ずつでした。最終の12Rだけが中止になった日も18日あります。
163日のうち119日(73.01%)は、中止の前に距離1,200m(3周を2周にした周回短縮)のレースがありました。江戸川の成績表(2026年2月9日分の PDF)にも、天候の急変などのときは「周回の短縮又は、やむを得ずレースを中止させていただくことがあります」と書かれています。
逆に、周回短縮のあった878日から見ると、そのあとのレースが中止になったのは119日(13.55%)でした。前売りの舟券を持っている日に周回短縮が始まっても、その日の後半が中止になったのは7日に1日ほどでした。
中止は3月と1月に多く、江戸川が最多
場と日ごとに、中止のあった割合を月で並べると、3月が3.65%、1月が3.02%で高い値でした。低いのは10月と12月の1.30%、7月の1.32%です。8月は2.49%で、夏の中では高めでした。
場ごとでは、江戸川が91日でいちばん多く、366日の約4分の1でした。津40日、若松29日、三国25日と続きます。少ないのは児島1日、住之江3日です。24場のどこでも、中止は1日以上ありました。
年ごとの中止のレースの割合は、2023年1.09%、2024年1.75%、2025年1.34%、2026年1.40%(9月まで)でした。
中止の理由は、データベースにも公式の競走成績のファイルにも記録がありません。月や場の差が風や波によるものかは、この記録だけでは言えません。
よく行く場の中止を、何年分も集めて数えるなら
中止は全国で約72レースに1回なので、1つの場の1か月分では数レースです。自分の場の傾向を見るには、何年分も結果を集めて、中止のレースを分母から外す作業が要ります。その作業は、ツールに任せる手もあります。
ZEN AI LAB の自社ツール BoatData Collector Pro は、この記事の数字を数えた研究用データベースを作ったツールです。期間と競艇場を選んで、競艇の公開データをまとめて集める Windows 用のツールです。
- 出走表・展示/直前情報・結果・払戻を取得し、SQLite にためます
- 取得済みのデータは取り直さず、次は続きから取得します。Excel・CSV に書き出せます
使う前の注意
- 予想・買い目・自動投票の機能はありません。集めて保存し、出力するまでです
- 中止の理由は取得していません
- 公式サイトや BOATRACE とは関係のない、非公式のツールです。データの正確性は保証していません
- 無料版があります。無料版で取得できる期間は直近30日までです。それより前の期間は製品版で取得します
くわしくはBoatData Collector Pro 無料版のページと、BoatData Collector Pro のページにあります。
中止がとくに多い場の中身は、江戸川競艇の特徴で風と波の条件とあわせて見ています。
競艇のデータを、何か月分も自分で集めて数えるなら

BoatData Collector Pro は、競艇の公開データを期間と競艇場を選んで集め、Excel・CSV に書き出す自社ツールです。予想や買い目は出しません。保存できるのは2016年10月1日以降のレースです。
- BoatData Collector Pro:6,000円(買い切り・note。ココナラでも6,000円)
- 分析版 BOAT DATA PRO:10,000円(ココナラ)。集めたデータを進入コース別・選手別などに集計する画面つき
- 無料版:直近30日まで(LINEで受け取り)
価格は2026年11月7日の表示です。変わることがあるので、買う前に各ページで確かめてください。Windows 11(64bit)用です。
確かめたことと、データでは分からないこと
法律の条文は、2026年11月6日に e-Gov 法令検索のモーターボート競走法を開いて読みました。江戸川の案内は、2026年11月7日に江戸川の公式サイトの出走表 PDF を開いて写しを保存し、文字を抜き出して読みました。数字はすべて研究用データベース(2023年1月1日〜2026年9月27日)を読み取り専用で開き、計算の前に計画を書いてから数えました。
データでは分からないことは、次のとおりです。
- 中止の理由(天候・事故など)。記録に列が無く、その日の場のお知らせにしか出ないためです
- 1日全部の中止が、順延だったのか、取りやめだったのか
- ほかの場の案内の書き方。開いたのは江戸川の出走表だけです。法律の決まりは全国で同じです
数字はどれも過去のレースを数えたものです。この先の中止の起き方を約束するものではありません。
まとめ
- 中止・順延で実施できなかったレースの舟券は、無効になって返還されます。翌日のレースに持ち越されることはありません
- 途中で中止になった日も、確定したレースの舟券はそのままです。返還も払戻も60日のうちに受け取ります
- 中止は約72レースに1回で、1日全部の中止が175日、途中からの中止が163日でした
- 中止・順延になった舟券は捨てずに、折ったり汚したりせず、60日のうちに払戻の窓口へ持っていく(江戸川の案内では、100万円以上・汚損券は買った場で)
- インターネット・電話投票で買った分は、投票サービスの購入履歴で返還を確かめる
LAB 記録(読み飛ばしてかまいません)
- 中止は race_outcomes の race_status が CANCELLED のレースです。競艇のルールの中止2,938レースと同じものです
- 形の分け方は、場と日ごとに、全レースが中止なら「1日全部」、中止が途中のレースから最後のレースまで続いていれば「途中から最後まで」(最後の12Rだけの中止も含む)、それ以外を「1レースだけ」としました。それ以外の形は0でした
- 最後の12Rだけが中止の18日のうち、2日は5艇以上のフライング欠場でした。競艇のフライングとはの「5艇か6艇がフライングして1着が決まらなかった29レース」は、1レースだけの27と、この2の合計です
- 2023〜2025年だけで数えた内訳(全部141日・1,692レース/途中から129日・633レース/1レースだけ21レース)とは、期間が違うので数が違います
- 周回短縮のあった日から見た数(878日・119日)は、Critic の指摘を受けて計画の後に足しました(calc_k72_add2.py)
- 周回短縮は races.distance_m が1,200mのレースです。中止の前の同じ日に、中止でない1,200mのレースが1つ以上あった日を数えました
- 月と場の割合の分母は、その月・その場の「場と日」の数です(全部で17,550)
- 法律の条文は、e-Gov 法令検索の法令データを WebFetch の単発で読み、引用の文だけを使いました
- 江戸川の案内は、どれも前売りの舟券について書かれた文です。当日に買った舟券にも同じ扱いになる根拠は、法律の「競走が成立しなかつたこと」で投票が無効になる決まりです
- 江戸川の出走表は、2021年9月25日と2026年2月11日の PDF を開きました。2026年2月10日の PDF にも同じ「途中中止」「欠場艇」「時効」の書き方があり、周回の短縮と中止の注記はこの2026年2月10日の PDF(2月9日の成績表)にありました
- 悩みの原文は、2026年11月7日に質問ページを開いて照合しました
- 販売ページ2つは、2026年10月29日に開いて読んだ内容で書いています

