平和島の出走表を開いて、1号艇に強い選手がいても「ここはインが弱いから」とためらった経験はありませんか。6コースから突き抜ける舟や、2コースの差しが決まるのを何度も見ていると、なおさらです。
数えてみると、平和島の1号艇の1着率は44.59%で、24場の中で戸田に次いで2番目に低い値でした。全国は54.59%です。反対に、6コースの1着率3.11%と、決まり手の差し18.16%は、24場でいちばん高くなっていました。
もう一つ目立ったのが1Rです。1号艇の1着率は34.76%で、24場の最低でした。ただしこの数字には読み方の注意があり、それも数字で示します。読み終えると、平和島の公式の説明のどれが数字で確かめられ、どれが確かめきれないのかが分かります。
使ったのは、ZEN AI LAB が自社の販売ツールで集めた2023年1月〜2026年9月の平和島8,101レース(中止を除く)です。予想や買い目の話はしません。ほかの場やデータの見方は競艇のデータの見方と集め方から探せます。
公式の5つの言い分のうち、3つは数字で確かめられた
ボートレース平和島の公式サイトは、水面特性をこう書いています。
センターからのまくりが目立つ。また、2マーク逆転となる「抜き」が非常に多い。インの弱さは全国でも指折りで、6コースの1着率は全国トップの数字。
BOATRACE 公式サイトの場の紹介には「1マークを振っておりバック斜行にも厳しい。ダッシュ勢のまくりと差しが決まりやすい。」とあります。水質は海水、干満差は「あり」です。
| 公式の言い分 | 数えたこと | 結果 |
|---|---|---|
| インの弱さは全国でも指折り | 1コース・1号艇の1着率 | 1号艇44.59%で24場の2番目に低い |
| 6コースの1着率は全国トップ | 6コースの1着率 | 3.11%で24場の1位 |
| センターからのまくりが目立つ | 3・4コースのまくり | 半分だけ。3コースは多く、4コースは全国並み |
| ダッシュ勢のまくりと差し | 4〜6コースのまくり・差し | どちらも全国より多い |
| 抜きが非常に多い | 抜きの割合 | 24場の5番目。差は1ポイントに届かない |
「1マークを振っている」「バック斜行に厳しい」は、手元のデータに対応する列が無いので、このデータでは確かめられません。
インは24場で2番目に弱く、6コースは24場で最も来る
1コースに入った艇の1着率は44.88%で、24場で低いほうから2番目でした。1号艇で見ても44.59%で、同じく2番目です。全国との差は−10.00ポイント(95%の幅−11.11〜−8.90)で、2023〜24年も2025〜26年も同じくらい低くなっています。
6コースから1着になったレースは、8,101レースのうち252レースで3.11%でした。2番目の戸田は2.50%、全国は1.89%です。公式の「全国トップ」は、この期間の数字でもそのとおりでした。
| コース | 平和島の1着率 | 全国 | 24場の順位 |
|---|---|---|---|
| 1コース | 44.88% | 55.03% | 低いほうから2番目 |
| 2コース | 16.79% | 13.64% | 高いほうから2番目 |
| 3コース | 14.92% | 12.72% | 高いほうから3番目 |
| 4コース | 12.71% | 10.63% | 高いほうから3番目 |
| 5コース | 7.58% | 6.10% | 高いほうから3番目 |
| 6コース | 3.11% | 1.89% | 高いほうから1番目 |

ただ、6コースの1着は全体の3%ほどで、252レースという件数は多くありません。1号艇が負けた分の受け皿は、主に2〜5コースでした。
決まり手は差しが24場で最多。抜きは「非常に多い」とまでは言えない
| 決まり手 | 平和島 | 全国 |
|---|---|---|
| 逃げ | 41.96% | 52.39% |
| まくり | 18.53% | 15.54% |
| 差し | 18.16% | 12.60% |
| まくり差し | 12.48% | 11.86% |
| 抜き | 7.69% | 6.75% |
差しの18.16%は24場でいちばん多く、2番目の三国(16.09%)とも2ポイント以上離れていました。差しの1着の63.70%は2コースからで、2コースの差しは11.57%(全国8.54%)です。
公式の「ダッシュ勢のまくりと差し」も、数字では全国より多い側でした。4〜6コースからの差しは4.70%(全国2.59%)、まくりは7.81%(全国6.76%)で、どちらも2023〜24年と2025〜26年の両方で全国を上回っています。
「センターからのまくり」は、3コースと4コースで分かれました。3コースのまくりは7.10%で全国の5.09%より多く、4コースのまくりは5.17%で全国(4.93%)と差が見えません。
抜きは7.69%で、全国より0.94ポイント多い値でした。24場で5番目です。この記事では、差が1ポイント以上あることを「差がある」と呼ぶ条件にしていたので、「非常に多い」は数字では確かめきれませんでした。抜きが24場でいちばん多いのは江戸川の10.24%です。決まり手の意味は競艇の決まり手にあります。
1Rの1号艇は34.76%。ただし全国の1Rとは中身が違う
レース番号で分けると、平和島の1号艇は1Rから12Rまで、どの番号でも全国より低い値でした。差がいちばん大きいのが1Rで、平和島34.76%、全国58.28%です。24場の1Rの中でも最低でした。
ただ、平和島の中だけで見ると、3Rの33.43%と6Rの33.73%も1Rと同じくらい低い値です。1Rが目立つのは、全国と比べたときです。

番組名で分けると、全国の1Rには「予選」「一般」の名前のレースと、場ごとに独自の名前を付けたレースが混ざっています。独自の名前のレースは1号艇の1着率が71.62%と高く、1Rの全国平均を押し上げていました。

平和島の1Rは、すべて「予選」か「一般」の名前でした。同じ名前のほかの場の1R(51.40%)と比べると、差は−16.64ポイント(幅−20.36〜−12.92)です。全国平均と比べた23ポイントほどの差の一部は、比べる相手の違いでした。名前をそろえても、1Rの1号艇は約17ポイント低いままです。1Rがほぼすべて予選・一般の名前の場(97%以上の12場)に絞っても、平和島の34.76%が最も低く、次が戸田の36.85%でした。
同じ比べ方で2R〜4Rも並べました。
| レース | 平和島(予選・一般の名前) | ほかの23場(同じ名前) |
|---|---|---|
| 1R | 34.76% | 51.40% |
| 2R | 33.46% | 44.80% |
| 3R | 33.43% | 42.94% |
| 4R | 36.09% | 43.62% |
平和島の前半は、どの番号も33〜36%台です(2Rは予選・一般以外の名前のレースが147あり、それを除いた値です)。5R以降は、この名前での比較をしていません。
平和島の公式サイトのお知らせ(2026年11月6日に閲覧)には、企画レースの「東京ベイランチ」を5R、「ベイブレイク」を8Rに置くとありますが、どんな選手を何号艇に入れるかの説明は見つかりませんでした。1Rは、データではすべて予選か一般の名前のレースで、企画レースではありません。1号艇のレース番号ごとの全国の数字は競艇の1号艇の勝率にあります。
春夏は差しの多さが増す。風の強さでは説明がつかない
公式は「春~夏は追い風、冬は向かい風」と書いています。風向きは、データの番号と方位の対応が場ごとに定まらないので数えていません。代わりに季節で分けました。
| 時期 | 差し(全国) | 風速5m以上 | 1号艇(全国) |
|---|---|---|---|
| 春夏(3〜8月) | 18.88%(12.55%) | 24.97% | 44.65%(54.37%) |
| 冬(12〜2月) | 16.31%(12.75%) | 13.65% | 45.87%(54.89%) |
差しの全国との差は、春夏が+6.33、冬が+3.56でした。その違いは2.77ポイント(幅0.77〜4.77)で、0にかかりません。一方、1号艇の全国との差は、春夏と冬でほとんど変わりませんでした。
風そのものは、平均2.89mで24場の9番目に強い程度です。全国の風速ごとの1号艇の率(1m刻み)を平和島の風の吹き方に当てはめると54.49%で、全国とほぼ同じになります。実際の44.59%との約10ポイントの差は、風の強さでは説明がつきません。風が1m以下のレースでも、1号艇は46.14%(全国58.01%)でした。風と1号艇の関係を24場で並べた話は風で競艇の展開はどう変わるかにあります。
波の記録は、平和島では84.11%のレースが3cmで、ほとんど同じ値しか入っていません。このため、この記事では波の数字を使っていません。
レース番号と番組名の列で、自分で確かめる
1Rの低さのように、比べる相手で数字の見え方が変わる場面は、ほかの場でも起きます。手順は次のとおりです。
- 平和島の艇ごとの CSV を用意する(1行が1艇。D列がレース番号、J列が枠番、AS列が進入コース、AU列が着順、AW列が決まり手)
- レース番号ごとに、1号艇の1着率を出す。1Rなら次の式です
=COUNTIFS(D:D,1,J:J,1,AU:AU,1)/COUNTIFS(D:D,1,J:J,1,AW:AW,"<>")
- 6コースの1着率は、進入コースで数えます。分母はレース数(1号艇の行で決まり手が入っているもの)です
=COUNTIFS(AS:AS,6,AU:AU,1,AW:AW,"<>")/COUNTIFS(J:J,1,AW:AW,"<>")
- 比べる相手の場も、同じ番号・同じ種類のレースにそろえる
この期間なら、手順3は252÷8,101で3.11%になります。
難しいのは件数です。平和島で30日に行われるレースは中央値で192レースで、1号艇の率でも上下およそ7.0ポイントぶれます。6コースの1着は30日で数レースしか出ないので、1か月分では24場の順位は決まりません。
元の記録を書き写すなら、1レースにつき6艇のコースと着順、決まり手・風速・波高で15マス、8,160レースで122,400マスになります(行数からの推定)。何年分も集める部分は、次のツールが受け持てます。
平和島のデータを何年分も手元に置くには
この記事の数字は、ZEN AI LAB が作った自社ツール BoatData Collector Pro で集めたデータから出しています。今回は販売版の画面ではなく、同じプログラムのコマンド操作で取得しました。
- 場と期間を選ぶと、出走表・展示/直前情報・結果・払戻などを集めます
- 中断しても続きから取得し、取得済みの分は取り直しません
- レースごとに1行、艇ごとに1行の Excel・CSV で書き出せます
どちらの版にも、予想・買い目・自動投票の機能はありません。BOATRACE や公式サイトとは関係のない非公式のツールで、データの正確性は保証していません。
6コースのような少ない件数を数えるには、年単位のデータが要ります。中身はBoatData Collector Pro のページで確かめられます。無料版は直近30日までの取得で、LINE 公式アカウントの友だち追加のあとに受け取れます。説明は無料版のページにあります。
同じ東京の場で、進入がほとんど枠どおりなのは江戸川競艇の特徴です。
競艇のデータを、何か月分も自分で集めて数えるなら

BoatData Collector Pro は、競艇の公開データを期間と競艇場を選んで集め、Excel・CSV に書き出す自社ツールです。予想や買い目は出しません。保存できるのは2016年10月1日以降のレースです。
- BoatData Collector Pro:6,000円(買い切り・note。ココナラでも6,000円)
- 分析版 BOAT DATA PRO:10,000円(ココナラ)。集めたデータを進入コース別・選手別などに集計する画面つき
- 無料版:直近30日まで(LINEで受け取り)
価格は2026年11月7日の表示です。変わることがあるので、買う前に各ページで確かめてください。Windows 11(64bit)用です。
確かめたことと、データでは分からないこと
- 公式の説明は、ボートレース平和島の公式サイトの水面特性と、BOATRACE 公式サイトの場の紹介・場情報で読みました
- 「インの弱さ」「6コースの1着率が全国トップ」「ダッシュ勢のまくりと差し」は確かめられました。「センターからのまくり」は3コースだけで、「抜きが非常に多い」は確かめきれませんでした
- 「1マークを振っている」「バック斜行に厳しい」と、風向きは数えていません
- まだ確かめられていないこと: インが弱い理由。1Rは予選・一般のレースで、平和島の公式サイトに選手の入れ方の説明は見つかりませんでした
- どの数字も過去の集計で、今後のレースの結果を保証しません
まとめ
平和島で24場の中で目立ったのは、1号艇の弱さと、6コース・差しの多さでした。1R〜4Rは、番組名をそろえて比べても1号艇が全国より7ポイント以上低くなっていました。
- 平和島の1号艇の率は、全国より10ポイントほど低い場として見る
- 1Rの数字を他場と比べるときは、番組名(予選・一般以外の名前かどうか)をそろえる
- 決まり手は、2コースの差しと3コースのまくりが全国より多い場として見る
荒れ方を万舟の割合で比べると、平和島は24場で2番目でした(荒れる競艇場ランキング)。24場の枠番ごとの1着率は競艇24場の枠番別・コース別1着率、1号艇が強い場の例は住之江競艇の特徴にあります。
LAB 記録(読み飛ばしてかまいません)
- 研究用データベースを読み取り専用で開いて数えました。計画は数える前に書き、公式の言い分を1つずつ確かめることと、季節(春夏と冬)の比べ方は計画どおりです。6コース・差し・1Rを主役にしたこと、1Rを番組名で分けた比較は、結果を見てから決めて足しました
- 差と呼んだ条件は、全国との差の95%の幅が0をまたがない、1.0ポイント以上、前半と後半で同じ向き、の3つです。比較の数が多いので、偶然で条件を満たすものが混ざる可能性があります
- 期間は2023年1月3日〜2026年9月19日、レースが行われた日は676日です。全8,160レースのうち中止の59レースを除きました
- 比較先は全国207,662レース(全210,600レースから中止を除く)で、平和島自身も含みます
- 1号艇の差は2023〜24年が−10.11、2025〜26年が−9.88でした。6コースの差は+1.22(幅+0.84〜+1.61)で、前半+1.53、後半+0.86です
- 差しの差は+5.56(幅+4.71〜+6.41)、前半+6.19、後半+4.82でした
- 3コースのまくりの差は+2.00(幅+1.44〜+2.57)、4〜6コースの差しは+2.11、まくりは+1.06です
- 抜きの差は+0.94(幅+0.35〜+1.53)で、0はまたぎませんが1.0ポイントに届きません
- 5Rの差は−3.60で、幅は−7.44〜+0.25と0にかかります。「どの番号でも全国より低い」は値の話で、5Rは差があるとまでは言えません
- ほかの23場では、予選・一般の名前の1R(51.40%)が同じ名前の2R(44.80%)より高く、名前をそろえても番組の組み方まではそろいきっていない可能性があります
- 秋(9〜11月)の1号艇は42.71%で、全国との差−12.10は4つの季節で最も大きい値でした(参考。比べる計画には入れていません)
- 1Rの番組名の分け方: 「予選」「一般」「一般戦」をそのまま比べられる名前とし、それ以外の名前(場ごとの企画の名前)と分けました。ほかの23場の1Rのうち61.25%がこの名前でした。平和島の1Rは676レースすべてがこの名前です
- 季節の差の差(冬−春夏)は、差しが−2.77(幅−4.77〜−0.77)、1号艇は+0.70(幅−1.95〜+3.35)でした。秋(9〜11月)は比べていません
- 風の期待値は、全国の風速ごと(1m刻み、9m以上はまとめる)の1号艇の率を、平和島の各レースの風速に当てはめて平均したものです
- 波の記録で波高と風速が同じ値だったのは21.53%でしたが、値の84.11%が3cmで、比べる材料になりません
- 30日のレース数は、全日を起点に30日ずつ数えた中央値です。艇ごとの CSV にすると48,960行です
- 公式は2026年11月5日に単発で読みました。平和島の公式サイトのコース別入着率(2025年9月〜2026年8月)は期間が違うので、記事の数字とは比べていません
- 取得は2026年9月28日、ツールのコマンド操作によるものです。取得元は非公式の API と公式の配布ファイルです。販売ページの記述は2026年10月29日の保存分によります

