浜名湖の出走表を見ながら、「ここはまくり差しの場だから」と3号艇や5号艇に目が行くことはありませんか。夏は向かい風、冬は追い風という話も、どこまで当てにしていいのか迷います。
数えてみると、浜名湖のまくり差しは15.39%で、24場の中でいちばん多い値でした。全国は11.86%です。1号艇の1着率は51.35%で、全国の54.59%より3.24ポイント低くなっています。そして全国との差は夏に大きく開き、冬は小さくなっていました。
公式の説明を1つずつ数字に当て、どれが確かめられて、どれが確かめられないのかを順に書きます。季節の列を足して自分で確かめる手順も最後に載せます。
使ったのは、ZEN AI LAB が自社の販売ツールで集めた2023年1月〜2026年9月の浜名湖9,195レース(中止を除く)です。買い目や予想の話はしません。ほかの場やデータの見方は競艇のデータの見方と集め方にまとめています。
公式の4つの説明と、数えて分かったこと
ボートレース浜名湖の公式サイトは、水面特性を次の4文で説明しています。
浜名湖の西岸に位置しており全国でも有数の広さを誇る。冬は追い風、夏は向かい風だ。広大な競走水面でスピードが優先する。まくり差しが入りやすく、筋舟券が成立しにくい。
| 公式の説明 | この記事で数えたこと | 結果 |
|---|---|---|
| まくり差しが入りやすい | まくり差しの割合 | 15.39%で24場の最多。確かめられた |
| 筋舟券が成立しにくい | 1着と2着が隣の枠の割合 | 37.80%(全国38.25%)。差は見えない |
| 冬は追い風、夏は向かい風 | 季節ごとの決まり手と風速 | 風向きは扱えない。季節で差は動いた |
| 有数の広さ・スピード優先 | 数える列がない | 確かめていない |
水質は汽水で、干満差もあると BOATRACE 公式サイトの場情報にあります。潮位の列は手元のデータにないので、潮の話はしません。
まくり差しは15.39%。全国より3.53ポイント多い
| 決まり手 | 浜名湖 | 全国 | 差(95%の幅) |
|---|---|---|---|
| 逃げ | 49.55% | 52.39% | −2.84(−3.88〜−1.79) |
| まくり差し | 15.39% | 11.86% | +3.53(+2.78〜+4.28) |
| まくり | 14.31% | 15.54% | −1.23(−1.96〜−0.50) |
| 差し | 12.56% | 12.60% | −0.04(−0.73〜+0.65) |
95%の幅は、偶然の上下を見込んだ範囲です。まくり差しの差はこの幅が0をまたがず、前半(2023〜24年)+3.73、後半(2025〜26年)+3.30と、どちらの期間でも多くなっていました。24場の2番目は桐生の13.91%で、そこから1.48ポイント離れています。
どのコースから来たかを見ると、まくり差しの1着の42.33%は3コースでした。3コースがまくり差しで勝ったレースは6.51%で、全国の4.68%より1.84ポイント多い値です。5コースも4.59%(全国3.66%)と多めでした。
一方で、まくりは全国より少なく、差しは全国と変わりません。外が「まくる」より、「まくって内に差し込む」形に偏っている場、と読めます。決まり手の割合を24場と風速で並べた表は逃げ・まくり・差しが多い競艇場にあります。
進入が枠どおりにならないレースが、24場で最も多い
6艇が枠番どおりのコースに入ったレースは、浜名湖では72.60%でした。全国は80.53%で、24場の中で浜名湖がいちばん低い値です。前半は−8.75、後半は−6.99ポイントで、どちらの期間でも全国より低くなっています。
| 枠番 | 枠どおりのコースに入った割合(浜名湖) | 全国 |
|---|---|---|
| 4号艇 | 82.41% | 87.86% |
| 5号艇 | 76.54% | 83.06% |
| 6号艇 | 79.64% | 85.52% |
4〜6号艇は、どれも全国より5.45〜6.52ポイント低い値です。1号艇が1コースを取れなかったレースも2.03%で、全国の0.98%の約2倍でした。
ただ、まくり差しの多さは進入のせいだけではありませんでした。枠なりで入った6,574レースだけで数えても、まくり差しは15.00%(全国11.51%)で、差は+3.49ポイント残ります。1号艇も54.44%で、全国の枠なりのレース(56.58%)より低いままでした。
1号艇の51.35%は、24場で6番目に低い値です。場ごとの並びは競艇24場の枠番別・コース別1着率で見比べられます。
夏ほど全国との差が開き、冬は小さくなる
公式の「冬は追い風、夏は向かい風」は、風向きの話です。手元のデータの風向きは番号で記録されていて、番号と方位の対応が場ごとにずれるため、向きは数えていません。代わりに、季節で分けて全国と並べました。

| 季節 | まくり差し(全国) | 逃げ(全国) | 風速5m以上(全国) |
|---|---|---|---|
| 春(3〜5月) | 15.97%(11.66%) | 49.77%(53.02%) | 22.49%(17.42%) |
| 夏(6〜8月) | 17.52%(12.45%) | 46.41%(51.28%) | 25.73%(13.70%) |
| 秋(9〜11月) | 14.64%(11.81%) | 51.09%(52.69%) | 14.64%(13.22%) |
| 冬(12〜2月) | 12.90%(11.45%) | 51.69%(52.72%) | 20.17%(18.65%) |
夏の浜名湖は、まくり差しが全国より5.06ポイント多く、逃げは4.86ポイント少なくなっています。冬はそれぞれ1.45ポイント、1.03ポイントの差で、逃げは全国との差があるとは言えません。全国との差が冬と夏でどれだけ違うかも、幅を付けて比べました。まくり差しは−3.61(−5.65〜−1.57)、逃げは+3.83(+0.97〜+6.69)で、どちらも0をまたぎません。
風の強さも季節で違います。夏の浜名湖は5m以上の風が25.73%で、全国の夏(13.70%)の2倍近くありました。冬は20.17%で、全国の冬(18.65%)と近い値です。
1号艇の1着率も、夏49.42%、冬53.07%と動きます。ただ全国も夏に下がるので、浜名湖だけの動きとは言い切れませんでした(全国との差の冬夏の違いは+2.31、幅−0.55〜+5.17)。ボートレース浜名湖の公式サイトの季節別の表(2025年9月〜2026年8月)でも、1コースの1着率は春夏秋冬とも55%台です。これは1コースに入った艇の率で、期間も違うため、この記事の1号艇の数字とは直接比べられません。
風が4m以上だと、同じ強さでも夏と冬で違った
風速をそろえて、夏と冬を比べました。風速4〜5mのレースだけで見ると、浜名湖のまくり差しは夏19.27%、冬12.22%です。差は7.05ポイント(幅3.62〜10.48)でした。6m以上でも、夏19.00%、冬8.80%と開いています。一方、風が3m以下のレースでは、夏と冬の差ははっきりしませんでした。2〜3mは夏15.33%・冬13.91%で、差1.42(幅−1.71〜+4.55)です。0〜1mは夏13.77%・冬13.74%でした。
| 風速4〜5mのレース | 浜名湖のまくり差し | 全国 |
|---|---|---|
| 夏(1,308レース) | 19.27% | 13.18% |
| 冬(573レース) | 12.22% | 11.93% |
浜名湖の風速ごとの率から、風の強さの構成だけで予想すると、まくり差しは夏15.83%、冬15.11%になります。実際は17.52%と12.90%なので、季節そのものの開きが残ります。公式は季節で風向きが変わると書いていますが、向きは数えていないので原因かどうかは分かりません。この分け方は、結果を見てから足したものです。
風が強い場だが、風だけでは説明しきれない
浜名湖の風速の平均は3.23mで、全国の2.80mより強く、24場で4番目でした。5m以上の風が吹いていたレースは21.37%(全国15.83%)です。
| 風速 | レース | 浜名湖の1号艇 | 全国 |
|---|---|---|---|
| 0〜1m | 1,363 | 53.85% | 58.01% |
| 2〜3m | 3,840 | 54.17% | 55.22% |
| 4〜5m | 3,214 | 48.66% | 52.00% |
| 6m以上 | 778 | 44.22% | 47.23% |
風が1m以下の静かなレースでも、浜名湖の1号艇は全国より4.16ポイント低くなっていました。全国の風速ごとの率を浜名湖の風の吹き方に当てはめると、1号艇は53.83%になる計算です。実際は51.35%なので、全国との差3.24ポイントのうち、風の強さで説明できるのは一部だけでした。風速と1号艇の関係を24場で比べた話は、風で競艇の展開はどう変わるかに書いています。
4Rだけは、1号艇が全国より高い
レース番号で分けると、浜名湖の1号艇が全国より高く、差の幅も0をまたがなかったのは4Rだけでした。60.42%(全国47.39%)です。差は+13.03ポイント(幅+9.49〜+16.57)で、2023年から2026年まで4年とも58%を超えていました。24場の4Rの中でも3番目に高い値です。
4Rを除くと、浜名湖の1号艇は50.53%(全国55.25%)まで下がります。4Rの進入は他のレースと大きく違わず、なぜ4Rだけ高いのかはデータからは分かりませんでした。浜名湖の公式サイトの企画レースのページでは、4Rは「ランチタイム戦」で、企画レースは原則1号艇にA級選手、ほかはB級選手を入れると説明されています(2026年11月6日に確認)。この記録でも、4Rの半数強がランチタイム戦でした。4Rが高いことと同じ向きですが、それでどこまで説明できるかは、まだ確かめられていません。このレース番号の分け方は結果を見てから足したものなので、その分割り引いて読んでください。
季節の列を足して、自分で確かめる手順
浜名湖の夏と冬の差が、この先も続くかは、新しいデータを足して見るしかありません。手順は次のとおりです。
- 浜名湖の艇ごとの CSV を用意する(1行が1艇。A列が日付、J列が枠番、AU列が着順、AW列が決まり手)
- 空いているAZ列に、日付から季節を入れる。式は
=CHOOSE(MONTH(A2),"冬","冬","春","春","春","夏","夏","夏","秋","秋","秋","冬") - 季節ごとに、まくり差しの割合を出す
- 前半と後半で同じ向きか、全国の同じ季節と比べてどうかを見る
3の式は次の形です。1着の行のうち決まり手がまくり差しのものを、レース数(1号艇の行で決まり手が入っているもの)で割ります。
=COUNTIFS(AU:AU,1,AW:AW,"まくり差し",AZ:AZ,"夏")/COUNTIFS(J:J,1,AW:AW,"<>",AZ:AZ,"夏")
1号艇の1着率のような50%前後の率なら、30日分(中央値212レース)では上下およそ6.7ポイントの幅があります。季節の箱は、3年9か月分を集めても1つ1,701〜2,592レースです。夏と冬の数ポイントの差を見るには、複数年が必要です。
手で集めるなら、6艇のコースと着順に、決まり手・風速・波高を足して1レース15マスです。浜名湖の9,276レースなら139,140マスになる計算で、これは行数から出した推定です。この写す作業は、次の節のツールで代えられます。
浜名湖のデータを何年分も持つには
BoatData Collector Pro は ZEN AI LAB が作った自社ツールで、この記事の数字もこのツールで集めたデータから出しています。今回は販売版の画面ではなく、同じプログラムのコマンド操作で取得しました。
- 場と期間を指定して、出走表・展示/直前情報・結果・払戻などを集めます
- 途中で止めても続きから取得し、取得済みの分は取り直しません
- レースごとに1行、艇ごとに1行の Excel・CSV に書き出します
予想・買い目・自動投票の機能は、どちらの版にもありません。BOATRACE や公式サイトとは関係のない非公式のツールで、データの正確性は保証していません。
季節を比べられるだけの年数を集めるならBoatData Collector Pro のページをご覧ください。無料版は直近30日までの取得で、LINE 公式アカウントの友だち追加のあとに受け取れます。詳しくは無料版のページにあります。
同じ東海の場で、序盤と終盤で1号艇の強さが変わるのは蒲郡競艇の特徴です。
東海の別の場で、スタートの早さと水面の荒れ方を見るなら常滑競艇の特徴へ。
汽水の場はほかにもあります。24場の水質の一覧は競艇場の海水・淡水・汽水の一覧で確かめられます。
競艇のデータを、何か月分も自分で集めて数えるなら

BoatData Collector Pro は、競艇の公開データを期間と競艇場を選んで集め、Excel・CSV に書き出す自社ツールです。予想や買い目は出しません。保存できるのは2016年10月1日以降のレースです。
- BoatData Collector Pro:6,000円(買い切り・note。ココナラでも6,000円)
- 分析版 BOAT DATA PRO:10,000円(ココナラ)。集めたデータを進入コース別・選手別などに集計する画面つき
- 無料版:直近30日まで(LINEで受け取り)
価格は2026年11月7日の表示です。変わることがあるので、買う前に各ページで確かめてください。Windows 11(64bit)用です。
確かめたことと、データでは分からないこと
- 公式の水面特性の4文と、水質・干満差は公式の案内で読みました
- 風向きは数えていません。「冬は追い風、夏は向かい風」が正しいかどうかは分かりません
- 「有数の広さ」「スピードが優先」は、水面の形を数える列が記録に無いので、このデータでは確かめられません。公式の説明をそのまま載せています
- 「筋」は1着と2着が隣の枠かどうかだけで見ました。舟券の払戻やオッズは扱っていません
- 4Rは、公式の説明では原則1号艇にA級選手を入れる企画レース(ランチタイム戦)です。まくり差しの多さ、枠なりの少なさの原因と、4Rの高さがそれでどこまで説明できるかは、まだ確かめられていません
- どの数字も過去の集計で、今後のレースの結果を保証しません
まとめ
浜名湖は、まくり差しの多さと、枠どおりに入らない進入の多さが24場でいちばん目立つ場でした。その差は夏に大きく、冬は全国に近づきます。
- 夏(6〜8月)の開催は、まくり差しが全国より約5ポイント多く、逃げが約5ポイント少ない時期として見る。冬は全国との差が小さい
- 展示で、4〜6号艇が枠どおりのコースに入るかを見る。浜名湖は枠どおりにならない割合が全国より5〜7ポイント大きい
1号艇の強さが目立つ場との違いは、宮島競艇の特徴や多摩川競艇の特徴と見比べられます。
LAB 記録(読み飛ばしてかまいません)
- 研究用データベースを読み取り専用で開いて数えました。計画は数える前に書きました。まくり差し・季節・筋は計画どおりです。枠なりを主役にしたこと、枠なりのレースだけの集計、風の期待値、季節×風速帯、4Rの確認は結果を見てから足しました
- 差と呼んだ条件は、全国との差の95%の幅が0をまたがない、1.0ポイント以上、前半と後半で同じ向き、の3つです。季節は、冬と夏の(浜名湖−全国)の差の差に幅を付けて見ました
- 比較の数が多いので、偶然で条件を満たすものが混ざる可能性があります
- 期間は2023年1月1日〜2026年9月24日、開催は770日です。全9,276レースのうち中止の81レースを除きました。艇ごとの CSV にすると55,656行です
- 比較先は全国207,662レース(全210,600レースから中止を除く)で、浜名湖自身も含みます
- 式の検算: 1号艇の1着は4,722÷9,195で51.35%、まくり差しの1着の行は1,415でした
- 筋は、1着と2着の枠番の差が1のレースの割合です。差は−0.45ポイント(幅−1.46〜+0.57)でした。進入コースで数えても39.87%(全国39.43%)で、差は見えませんでした
- 波高の記録は、浜名湖以外の23場のうち12場で過半数のレースが風速と同じ値でした。浜名湖は12.46%です。このため波の大きさは全国と比べていません
- 季節×風速帯の集計(calc_add2.py)は結果を見てから足しました。夏と冬の差は、風速の構成をそろえても残りました
- 風の期待値は、全国の風速帯ごとの1号艇の率を、浜名湖のレースの風速帯に当てはめて平均したものです
- 1Rの1号艇は49.35%で、全国の58.28%より低い値でした
- 30日のレース数は全日を起点に30日ずつ数えた中央値です
- 取得は2026年9月28日、ツールのコマンド操作によるものです。取得元は非公式の API と公式の配布ファイルです
- 公式は2026年11月4日に単発で読みました。販売ページの記述は2026年10月29日の保存分によります

