予想の仕方を調べると、「1号艇を見る」「展示を見る」「モーターを見る」と、見る所ばかりが増えていきます。結局どれから見ればいいのでしょうか。
ZEN AI LAB の答えは、レースに近づく順に見る、です。レースの前に分かる出走表、直前の展示、締切まで動くオッズの3段階です。
この順で見れば予想が良くなる、とは言えません。ZEN は舟券の成績を測っていないからです。言えるのは、見る順番が決まることと、数字の重さが分かることまでです。
この記事では3段階の手順を書き、コース・全国勝率・展示タイムの差を約11万レースにそろえて比べます。読み終えると、レース前に見る順番を決められて、自分の見立てを自分で答え合わせできます。
数えたのは、ZEN AI LAB が作って販売している自社ツールで集めた研究用データベースです。買い目やおすすめの艇は書きません。競艇そのものが初めての人は、競艇の初心者が最初に知ることから読むと入りやすいです。
見る順番は、レースに近づく順でいい
3つの情報は、レースに近づくほど新しくなります。展示航走は本番の直前の試走で、スタート展示はそのうち本番のレースを想定したコース取りとスタートを行う部分です。進入は、スタートのコースに入ることです。
| 段階 | いつの情報か | 見るもの |
|---|---|---|
| 1 出走表 | レースの前 | コース(艇番)・勝率・選手・モーター |
| 2 直前情報 | 展示航走の後 | スタート展示の進入・展示タイム |
| 3 オッズ | 締切まで動き続ける | ほかの人の買い方と払戻の大きさ |
出走表で大まかな見立てを作り、展示で直し、最後にオッズで舟券にするかを考えます。後ろの情報ほど、前の見立てを直す材料になります。
手順1: 出走表で、艇番と勝率から見立てを作る
最初に見るのは艇番です。出走表には勝率、2連率、モーター、平均ST(スタートの速さの平均)と数字が並びますが、見る順を迷ったら艇番からで足ります。
艇番が重い理由は、スタートのコースです。公式の説明では、コースは待機行動の中で選手が自由に選びます。ただ本番で6艇とも枠番どおりに並んだレースは80.53%でした。多くのレースでは、1号艇がいちばん内側の1コースから出ます。
次に全国勝率を見ます。公式の説明では、着順の点の合計を出走数で割った数字です。1着の割合ではありません。真ん中は5.34点で、数字ごとの位置は競艇の出走表の見方に目安の表を載せました。
ここで「この艇が1着かもしれない」という見立てを1つ決めます。根拠は1行で十分です。
手順2: 直前情報で、進入と展示タイムを確かめる
レースの直前に、展示航走があります。公式の説明では、スタート展示と周回展示の2種類です。
見るものは2つです。
- スタート展示の並び。艇番どおりでなければ、手順1の見立てを見直します。公式の用語辞典も、スタート展示を「予想をする上では欠かせない直前情報」としています
- 展示タイム。周回展示2周目の直線150mのタイムで、展示航走が終わった直後に発表されます。公式には「タイムが早ければ、直線での伸びがいい」とあります
スタート展示の並びは、本番でも変わることがあります。約20万レースでは、展示と本番で並びが同じだったのは88.00%で、12.00%は変わりました。展示タイムの順位ごとの割合は競艇の展示データの見方に、並びの変わり方は競艇のスタート展示の見方にあります。
手順3: オッズで、自分の見立てと世間の差を見る
オッズは、舟券の払戻金の倍率です。人気のある舟券ほど低くなります。
ここで見るのは、見立てと売れ方の違いです。自分が1着と見た艇の舟券が、低いオッズなのか、高いオッズなのか。高いオッズなら、ほかの人はそう見ていないということです。それでも買うか、見送るかを決めます。
締切の前に見えているオッズは、途中の値です。公式の用語辞典にも、締切間際がいちばん多く売れるので、買ったときのオッズどおりの配当になるとは限らない、とあります。
人気どおりに決まるわけでもありません。3連単で1番人気の組み合わせに払戻があったのは10.59%でした。読み方と計算は競艇のオッズの見方に、人気の分かれ方は競艇の人気順にあります。
同じレースで比べると、差がいちばん大きいのはコース
では、手順1と2の数字はどのくらい重いのか。2023〜2024年の107,927レースで、コース・全国勝率・展示タイムをそろえて、1着の割合を数えました。どのレースも、6艇すべてに全国勝率と展示タイムがあります。
| 順位 | コース | 全国勝率 | 展示タイム |
|---|---|---|---|
| 1位 | 54.96% | 33.06% | 27.03% |
| 2位 | 13.82% | 22.83% | 20.34% |
| 3位 | 12.53% | 16.57% | 16.27% |
| 4位 | 10.79% | 12.60% | 13.36% |
| 5位 | 6.04% | 9.12% | 11.22% |
| 6位 | 1.87% | 5.60% | 8.43% |
コースの列は、1コースを1位、6コースを6位として並べています。これは本番で入ったコースの集計で、レース前には確定しません。6艇からでたらめに選ぶと16.67%です。

1位と6位の開きは、コースがいちばん大きく、全国勝率、展示タイムの順でした。3つは同じ艇に重なることがあるので、足し合わせる数字ではありません。
全国勝率が1位でも、1着は約3回に1回です。展示タイムが1位でも、約4回に1回です。
これは数字ごとの差の大きさで、この割合で買えばいいという話ではありません。オッズを見ていないので、得かどうかはこの表からは分かりません。
3つの項目がそろうレースは少ない
項目は同じ艇を指すとは限りません。全国勝率の1位と展示タイムの1位がそれぞれ1艇に決まった93,370レースで、1号艇・全国勝率1位・展示1位の3つがどう重なるかを数えました。
| 3つの重なり | レース | 割合 |
|---|---|---|
| 3つとも同じ艇 | 7,636 | 8.18% |
| 2つが同じ艇 | 47,291 | 50.65% |
| 3つともばらばら | 38,443 | 41.17% |
3つそろうのは約12レースに1回でした。全国勝率1位が1号艇だったのは24.72%です。全国勝率1位と展示1位が同じ艇だったのは22.87%でした。
つまり、項目が割れるのが普通です。割れたときにどれを重く見るかが、その人の予想の中身になります。どれが正しいかは ZEN には言えません。そこで、どの項目を重く見たかを、次の手順で記録します。
手順4: 見立てを1行残して、答え合わせする
ここまでが見る手順です。自分の見方が合っているかは、記録しないと分かりません。
レースごとに、次の1行を残すだけで始められます。下の行は書き方の例で、実際のレースではありません。
| 場・R | 1着と見た艇 | 重く見た項目 | 展示で変えたか | 結果 |
|---|---|---|---|---|
| 例: A場 3R | 1号艇 | 全国勝率 | 変えず | 2着 |
20レースほどたまったら、見た艇が1着だった割合を、展示で変えたとき・変えなかったときに分けて数えます。重く見た項目ごとに分けても構いません。ただ、偶然の幅は大きいです。1着の見込みが3回に1回なら、20レースで平均6.67回ですが、3〜11回の間で普通に動きます。すぐ結論を出さないでください。
よく行く場の全レースと並べて比べたくなったら、出走表と結果を表にためることになります。直近30日までなら、この作業は無料のツールに任せられます(記事の最後で紹介します)。
モーターや平均STは、どこで見るか
モーター2連率と平均STも、手順1で出走表にあります。意味と目安は競艇の出走表の見方のとおりです。モーター2連率の真ん中は33.33%、平均STの真ん中は0.16です。
ただ、着順との関係は ZEN AI LAB の競艇研究(ZEN BOAT LAB)の有料の研究で扱っているため、この記事では数字を出していません。上の表に入っていないのは、重要でないという意味ではありません。自分で比べたいなら、手順4の表に列を足せます。
自分の記録を、全レースと比べたくなったら
見立ての記録は手で始められます。続けるうちに、「この場で自分が見ていないレースはどうだったか」が気になってきます。
それを数えるには、出走表・直前情報・結果を、レースごとに表にためる必要があります。ZEN AI LAB の自社ツール BoatData Collector Pro は、この記事の数字を数えた研究用データベースを集めたツールです。無料版があります。
- 期間と競艇場を選ぶと、出走表・展示/直前情報・結果・払戻をまとめて集めます
- 取得済みの分は取り直さず、続きから取得できます
- Excel・CSV に、レースごとに1行、または艇ごとに1行の形で書き出せます
無料版で取得できるのは直近30日までです。予想・買い目・自動投票の機能は、どちらの版にもありません。公式サイトや BOATRACE とは関係のない非公式のツールで、データの正確性は保証していません。無料版は LINE 公式アカウントの友だち追加後に受け取ります。
くわしくはBoatData Collector Pro 無料版のページにあります。期間の制限が無い製品版はBoatData Collector Pro のページです。
1号艇から考える前に、崩れるレースの条件を競艇で1号艇が負けるときで確かめておけます。
出走表で1号艇に誰が入っているのか、その決まり方は競艇の枠番の決め方で説明しています。
競艇のデータを、何か月分も自分で集めて数えるなら

BoatData Collector Pro は、競艇の公開データを期間と競艇場を選んで集め、Excel・CSV に書き出す自社ツールです。予想や買い目は出しません。保存できるのは2016年10月1日以降のレースです。
- BoatData Collector Pro:6,000円(買い切り・note。ココナラでも6,000円)
- 分析版 BOAT DATA PRO:10,000円(ココナラ)。集めたデータを進入コース別・選手別などに集計する画面つき
- 無料版:直近30日まで(LINEで受け取り)
価格は2026年11月7日の表示です。変わることがあるので、買う前に各ページで確かめてください。Windows 11(64bit)用です。
確かめたことと、データでは分からないこと
- 項目の説明は BOATRACE 公式サイトのガイドと用語辞典で確かめました
- この順番で見ると成績が変わるかは、測っていません。舟券の成績は、この記事では何も数えていません
- 3つの項目が重なったレースの1着の割合は、方法のように読めてしまうので出していません。モーター・平均ST・級別と着順の関係、場ごとの差は出していません
- 数字は過去のレースを数えたものです。どの艇を買えばよいという意味ではなく、この先のレースの結果を約束するものでもありません
まとめ
見る順番は、レースに近づく順で十分です。1位と6位の開きはコースが最大でしたが、3つの項目は割れるのが普通です。次にやることは3つです。
- 次のレースで、出走表を見て「1着と見た艇」と重く見た項目を1行書く
- 展示の後に、その見立てを変えるかを決める。オッズは最後に見る
- 20レースたまったら、変えたとき・変えなかったときに分けて数える
LAB 記録(読み飛ばしてかまいません)
- 研究用データベース(2023年1月1日〜2026年9月27日・210,600レース)を読み取り専用で開いて数えました。計画は数える前に書きました
- 着順を使う集計は、競艇の展示データの見方と同じ取り決めで2023〜2024年だけにしました。中止を除いた110,745レースのうち、6艇すべてに全国勝率(0を除く)と展示タイム(0を除く)があった107,927レースです
- 全国勝率の順位は、同じ値なら同じ順位で小さいほうを取り(競艇の選手データの見方と同じ)、展示タイムは同じ値を同じ順位にして次を飛ばしました。どちらも順位ごとの艇の数はそろいません
- コースは本番の進入コースです。6コースの行が25少ないのは、進入の記録が無い行です
- ほかの記事の数字(1コース55.02%・全国勝率1位33.4%)と少し違うのは、数えた期間とレースが違うためです
- 偶然の幅の3〜11回は、確率3分の1・20回の二項分布の、下と上の2.5%を除いた範囲です
- 重なりの93,370レースは、全国勝率1位と展示タイム1位がどちらも1艇に決まったレースです。全国勝率1位が1号艇の24.72%は、全国勝率1位が1艇に決まったレースの割合です
- 枠なり80.53%・展示と本番の並び88.00%は競艇のスタート展示の見方、10.59%は競艇の舟券の種類と買い方の値です。全国勝率5.34点・モーター33.33%・平均ST0.16は競艇の出走表の見方の値です
- 公式の説明は、2026年10月31日に BOATRACE 公式サイトの用語辞典を単発の取得で読みました。出走表の説明は2026年10月27日に読んで保存した原文の範囲です
- 販売ページは2026年10月29日に保存した内容で書いています

