出走表には、選手の勝率、モーターの2連率(2着以内に入った割合)、平均ST(スタートの速さの平均)と、たくさんの数字が並びます。公式ガイドや解説サイトには「数値が高いほど優良」「低いほどスタートが得意」とあります。けれど、モーター2連率40%は高いのか、平均ST0.16は速いのかまでは書かれていません。
2023〜2025年の出走表、約100万艇の数字を数えると、モーター2連率の真ん中は33.33%で、40%以上は約5艇に1艇でした。平均STの真ん中は0.16、全国勝率の真ん中は5.34点です。
この記事では、出走表の項目の意味を公式ガイドで確かめたうえで、項目ごとに「真ん中・上位25%・上位10%」の境を載せます。読み終えると、出走表の数字が全体のどのあたりかを判断でき、自分の場や期間で目安を出し直すこともできます。
数えたのは、ZEN AI LAB が作って販売している自社ツールで集めた研究用データベースです。競艇のデータで何が数えられるかの全体は、競艇のデータの見方と集め方にまとめています。
出走表の項目は、選手・成績・スタート・モーターとボートの4つ
公式サイトの出走表には、1艇ごとに次の項目が並びます。意味は、公式の「BOAT RACE GUIDE」で確かめました。
- 選手: 登録番号・級別(A1〜B2の4段階のランク)・氏名・支部・年齢・体重。登録番号は小さいほどベテランです
- 成績: 全国と当地の勝率・2連率・3連率。当地はそのレース場での成績、2連率は2着以内、3連率は3着以内に入った割合です
- スタート: F数(フライングの回数)・L数(出遅れの回数)・平均ST
- モーターとボート: それぞれの番号と2連率・3連率。どちらもレース場の持ち物で、抽選で割り当てられます
このほかに、今節成績と早見の欄があります。展示タイムなどの直前情報は、出走表とは別にレースの前に出ます。展示の数字の見方は、競艇の展示データの見方で数えています。
競艇そのものが初めてなら、出走表のどこから見るかを競艇の初心者が最初に知ることにまとめています。
出走表の数字の目安表。真ん中と上位25%・上位10%の境
2023〜2025年の出走表1,009,512艇で、項目ごとの数字の分布を数えました。「上位25%」は、全体を数字の大きい順に並べたとき、上から4分の1の位置の値(境)です。
| 項目 | 下位25% | 真ん中 | 上位25% | 上位10% |
|---|---|---|---|---|
| 全国勝率(点) | 4.45 | 5.34 | 6.20 | 6.82 |
| 全国2連率(%) | 23.47 | 33.87 | 43.84 | 50.82 |
| 全国3連率(%) | 40.00 | 52.24 | 62.39 | 68.99 |
| 当地勝率(点・0を除く) | 4.40 | 5.37 | 6.29 | 7.03 |
| モーター2連率(%) | 28.00 | 33.33 | 38.25 | 43.75 |
| モーター3連率(%) | 44.03 | 50.00 | 55.93 | 61.67 |
| ボート2連率(%) | 28.40 | 33.33 | 37.70 | 42.55 |
平均STは0.01きざみの数字で、同じ値の艇がたくさんいます。境の値で示すと読み違えやすいので、下の「平均ST」の節で「0.14以下は何%」の形で示します。

級別は、出走表では約4艇に1艇がA1
級別は、A1・A2・B1・B2の4段階です。公式ガイドでは、選手全体のうち「A1級=20%、A2級=20%、B1級=50%」です。級は半年に1度、1月と7月に更新されます。
出走表の行で数えると、A1が24.6%、A2が23.7%、B1が45.6%、B2が6.1%でした。公式ガイドには「ランクが上に行くほど、出走日数やレベルの高いレースへの出場チャンスが増えていく」とあります。A1は、選手の比率より出走表で見かける割合が高くなっていました。
級別ごとの、出走表の全国勝率の幅です。
| 級別 | 下位10%の境 | 真ん中 | 上位10%の境 |
|---|---|---|---|
| A1 | 5.99点 | 6.66点 | 7.36点 |
| A2 | 5.12点 | 5.78点 | 6.41点 |
| B1 | 3.65点 | 4.57点 | 5.43点 |
| B2 | 1.25点 | 2.20点 | 4.78点 |
公式ガイドには「A1級のボーダーラインは勝率6.20前後となることが多い」とあります。出走表のA1の艇でも、10艇に1艇は全国勝率が5.99点より下でした。出走表の全国勝率は級が決まった後も動き続ける数字で、同じ選手の値が1か月の中で2通り以上になることが85.1%ありました(選手データの記事で数えた値)。そのため、級と勝率がずれることがあります。
勝率・2連率・3連率は、意味が違う数字
公式ガイドでは、勝率は着順点(1着10点・2着8点・3着6点・4着4点・5着2点・6着1点)の合計を出走数で割った数字です。SG・G1・G2と優勝戦は点が増えます。勝率は「点」で、1着の割合ではありません。
2連率は2着以内、3連率は3着以内に入った割合です。全国2連率の真ん中は33.87%、全国3連率の真ん中は52.24%でした。
全国勝率の帯ごとに、実際に1着が何回に1回だったかは、競艇の選手データの見方で約99万艇を数えています。全国勝率6点台の艇でも、1着は約4回に1回でした。
当地勝率が0の艇は約9艇に1艇
当地勝率が0の艇は、11.5%でした。そのレース場の成績の記録が無い艇で、0点という意味ではありません。目安表の当地勝率は、0の艇を除いて数えています。くわしくは、上と同じ選手データの記事に書きました。
モーター2連率は真ん中33.33%。40%以上は約5艇に1艇
モーター2連率は、そのモーターが2着以内に入った割合です。公式ガイドには「数値が高いほど優良」とあり、モーターとボートは「およそ1年で交換される」と書かれています。
約100万艇のモーター2連率を、境ごとに数えました。
- 30%以上: 66.8%
- 35%以上: 40.3%
- 40%以上: 19.4%(約5艇に1艇)
- 45%以上: 8.0%
- 50%以上: 3.8%
- 20%未満: 8.9%
40%以上のモーターは、およそ5艇に1艇いる計算です。50%以上は約26艇に1艇でした。ボート2連率もよく似た分布で、真ん中は33.33%です。
2連率がちょうど0%のモーターは4.59%(約22艇に1艇)ありました。0%の中には、使い始めたばかりで2着以内の記録がまだ無いモーターも含まれると考えられますが、確かめてはいません。数字が低いからといって、性能が低いとは限りません。
モーター2連率と着順の関係は、この記事では数えていません。
平均STの真ん中は0.16。F持ちは約6艇に1艇
平均STは、大時計が0を指してから、何秒後にスタートラインを通過したかの平均です。公式ガイドでは「数値が低いほど、スタートが得意」とされています。
- 0.13以下: 9.2%
- 0.14以下: 20.3%(約5艇に1艇)
- 0.15以下: 36.4%
- 0.16以下: 54.8%
- 0.18以下: 83.3%
- 0.20以下: 95.6%
0.16以下が半分を少し超えるので、0.16がほぼ真ん中です。0.18より遅い艇は約6艇に1艇でした。0.14は「上位10%」ではなく、0.14以下で約5艇に1艇いる位置です。
F数(フライングの回数)が1以上の艇は16.1%で、約6艇に1艇です。F1が15.49%、F2以上が0.62%でした。L数(出遅れの回数)が1以上の艇は0.16%です。
公式ガイドでは、フライングをすると1本目で30日、同じ期の2本目で60日のあっせん停止になります(2022年5月1日時点の説明)。
フライングをするとどうなるかは競艇のフライングの記事、本番の ST が全体でどう散らばるかは競艇のスタート展示の見方で見られます。
今節成績と早見は、その節の様子とその日の出走
今節成績は、いま開催している節(通常4〜6日間)での成績です。公式ガイドの例では、【6四19】は「6着、4コース進入、スタートタイミング0.19秒」を表します。
早見は、1日に2回走る選手の、もう1つのレースの番号です。空欄なら、その日は1回だけの出走です。ZEN が開いた公式の番組表ファイル1日分(2026年8月24日)では、864艇のうち早見に番号があった艇が672艇でした。
同じレースの6艇では、全国勝率は2.68点、モーター2連率は17ポイント開く
舟券を考えるときは、同じレースの6艇の中で比べます。そこで、6艇の中の最大と最小の差を数えました。
- 全国勝率の差: 真ん中2.68点(4レースに1レースは1.97点以下、4レースに1レースは3.65点以上)
- モーター2連率の差: 真ん中17.07ポイント(4レースに1レースは12.04ポイント以下、4レースに1レースは24.48ポイント以上)
同じレースの中で、モーター2連率が17ポイントほど開くのが普通で、12ポイント以下は4レースに1レースです。差が25ポイントを超えると、全体の上位4分の1に入る開き方です。
レースの中で順位を付けるエクセルの式は、競艇の出走表をエクセルにする手順に載せています。
モーター2連率は約1年おきの切り替えで0%に戻ります。時期ごとの読み方は競艇のモーターの見方にまとめました。
自分の場や期間で、目安を出し直すには
ここまでの目安は、全国の3年分をまとめたものです。よく行く場だけ、今年だけで見ると、数字が変わることもあります。艇ごとの数字を1行ずつ持っていれば、エクセルで出し直せます。
BoatData Collector Pro の「艇ごとに1行」の CSV では、見出しは英語です。主な列は次の位置にあります。
- S列: avg_start_timing(平均ST)
- T列: national_win_rate(全国勝率)
- W列: local_win_rate(当地勝率)
- AB列: motor_2_rate(モーター2連率)
- AE列: boat_2_rate(ボート2連率)
手順です。
- BoatData で、見たい場と期間を「艇ごとに1行」で CSV に書き出します
- エクセルで開き、空いているセルに式を入れます
- モーター2連率の上位25%の境は
=PERCENTILE.INC(AB:AB,0.75)、真ん中は=MEDIAN(AB:AB)です - 40%以上の割合は
=COUNTIF(AB:AB,">=40")/COUNT(AB:AB)です
当地勝率と平均STは、0の行を除いて数えます。当地勝率なら =PERCENTILE.INC(IF(W2:W5000>0,W2:W5000),0.75) のように書きます(5000は行の数に合わせて変えます。古いエクセルでは Ctrl+Shift+Enter で確定します)。
Google スプレッドシートでは、IF を使う式を =ARRAYFORMULA(PERCENTILE.INC(IF(W2:W5000>0,W2:W5000),0.75)) のように ARRAYFORMULA で囲みます。囲まないと、0を含めた値が出ました。
2026年8月24日の1日分(864艇)を書き出して同じ計算をすると、モーター2連率の上位25%の境は38.74%、40%以上は172艇でした。当地勝率の上位25%の境は、0を除くと6.26点、0を含めると6.14点です。Python でも Google スプレッドシートでも、同じ値になりました。1日分だと、3年分の値と少しずれます。
1日分ならこれで足ります。ただ、何か月・何年分の出走表を集めて表にするのは、手では続きません。その部分は、ツールに任せる方法もあります。
出走表を集めて表にするところを任せるなら
ZEN AI LAB の自社ツール BoatData Collector Pro は、この記事の数字を数えた研究用データベースを作ったツールです。競艇の公開データを、期間と競艇場を選んでまとめて集める Windows 用のツールです。
- 出走表・展示/直前情報・結果・払戻を取得して、SQLite にためます。取得済みのデータは取り直さず、次からは続きから取得します
- Excel・CSV に、「レースごとに1行」「艇ごとに1行」の形で書き出せます
使う前に知っておいてほしいことです。
- 予想・買い目・自動投票の機能はありません。集めて保存し、出力するところまでです
- 公式サイトや BOATRACE とは関係のない、非公式のツールです。データの正確性は保証していません
- 無料版があります。取得できる期間は直近30日までです。製品版は期間を自分で選べます(保存できるのは2016年10月1日以降のレース。2026年11月に実際に取得して確かめた範囲)
くわしくはBoatData Collector Pro 無料版のページと、BoatData Collector Pro のページにあります。
出走表で新人の選手を見たときに、どのコースに入りそうかは競艇の新人はいつまで6コース?で確かめられます。
出走表がいつ出るのかと、今節成績の欄の読み方は競艇の今節成績の見方にまとめました。
競艇のデータを、何か月分も自分で集めて数えるなら

BoatData Collector Pro は、競艇の公開データを期間と競艇場を選んで集め、Excel・CSV に書き出す自社ツールです。予想や買い目は出しません。保存できるのは2016年10月1日以降のレースです。
- BoatData Collector Pro:6,000円(買い切り・note。ココナラでも6,000円)
- 分析版 BOAT DATA PRO:10,000円(ココナラ)。集めたデータを進入コース別・選手別などに集計する画面つき
- 無料版:直近30日まで(LINEで受け取り)
価格は2026年11月7日の表示です。変わることがあるので、買う前に各ページで確かめてください。Windows 11(64bit)用です。
確かめたことと、データでは分からないこと
確かめたことは、次のとおりです。
- 数字はすべて、研究用データベースを読み取り専用で開いて数えました。2023〜2025年の出走表1,009,512艇です
- 数え方は、計算の前に計画に書きました
- 項目の意味は、2026年10月27日に公式の BOAT RACE GUIDE を開いて読みました
- 目安を出し直す手順は、BoatData で1日分の CSV を書き出して確かめました
- 販売ページ2つは、2026年10月25日に開いて読みました
このデータでは分からないことは、次のとおりです。
- モーター2連率・F数・級別・体重・今節成績と、着順の関係。ZEN BOAT LAB の有料の研究で扱う予定のため、この記事では数えていません
- まだ確かめられていないこと:エクセル本体での式の動き。この PC にエクセルが無いため、Python と Google スプレッドシートで確かめました
- 2026年の出走表と、場ごとの目安。この記事の目安は全国の2023〜2025年です
目安は、過去の出走表の数字の分布です。数字の高い艇が勝つという意味ではなく、この先のレースの結果を約束するものでもありません。
まとめ
出走表の数字は、全体の分布と比べると読みやすくなります。モーター2連率の真ん中は33.33%、平均STの真ん中は0.16、全国勝率の真ん中は5.34点です。次にやることは3つです。
- 次に見る出走表で、モーター2連率と平均STが目安表のどこにあるかを見る
- 同じレースの6艇で、全国勝率とモーター2連率の差が、真ん中(2.68点・17ポイント)より大きいかを見る
- よく行く場の目安を出したくなったら、無料版で直近30日の出走表を書き出し、PERCENTILE.INC で数える
LAB 記録(読み飛ばしてかまいません)
- 対象は、2023年1月1日〜2025年12月31日の出走表の行です。中止のレースの出走表も含めています(168,252レース)
- 全国勝率・全国2連率・全国3連率は、全国勝率が0の行(1,986艇)を除いて数えました。2連率・3連率が0の行は残しています
- 最初の計算では、全国2連率・3連率も0の行を除いていました。計画どおりに直して数え直しています(計画の追記1)
- 当地勝率は、0の行(116,143艇)を除いて数えました。当地2連率の目安は出していません
- 平均STは、値が空か0の行を除いて数えました(988,562艇)。割合はこの数を分母にしています
- 分布の境は、エクセルの PERCENTILE.INC と同じ線形の補間で出しました
- 級別の割合は、出走表の行で数えた割合です。公式ガイドの比率は選手の人数の割合です
- 級別ごとの全国勝率の幅は、全国勝率が0でない行で出しました
- 同じレースの中の差は、6艇すべてに値があるレースで出しました(全国勝率165,991レース・モーター2連率167,964レース)
- 早見の672艇は、2026年8月24日の番組表ファイル864艇のうち、早見の欄が空でなかった艇です(空は192艇)
- 体重・年齢の分布も数えましたが、この記事では出していません(体重と着順は有料の研究の範囲)
- 選手の名前・登録番号は出していません

