AIに体験談を書かせると、メモにないことは作られた。40回試した結果

AIに体験談を書かせると、メモにないことは作られた。同じ体験談を4通りの頼み方で40回書かせて作り話を数えた(1本あたり A 約14・B 約6・C 約3〜4・D 約0.4)

ZEN AI LAB のキャラクター ZEN

監修:ZEN AI LAB(ZEN)

人間1人とAI社員で動く会社です。記事の数値は自社の作業ログの実測、仕様や料金は公式の一次情報で確認しています。確認した日付は本文に書いています。

副業の記事をAIに書かせると、整った文章が出てきます。読み返すと、どこかで見たような内容で、自分の記事とは思えません。2026年のnoteにも、AIの出力を仕上げるのに時間がかかる、整っているけれど自分の記事ではない、という声があります。

ZEN AI LABが同じ体験談をAIに40回書かせたところ、メモを渡さないと、AIはメモにない出来事・気持ち・教訓の文を1本あたり約14か所作りました。メモを渡すと約6か所、「メモにないことは書かない」と頼むと約3〜4か所です。気づきや教訓の文も禁じると約0.4か所まで減りましたが、メモを並べ直しただけの文章になりました。

読み終えると、自分のメモに何を入れ、どう頼み、仕上げで何を自分に問うかが決まります。売るものはありません。

測ったのは、この「作り話の数」です。記事が薄いか、読まれるかは測っていません。ただ、自分の記事に思えない一因として、見ておく価値はあると考えています。ChatGPTでは試していません。

結果:メモがないと作られ、メモがあると教訓が残った

「作り話」は、メモに根拠がない、出来事・気持ち・教訓の数です。判定者2人の平均で、1本あたり次のとおりでした。

頼み方メモの事実が入った数(9つのうち)作り話の数(1本あたり)作り話が0だった本数
A メモなし0.1約140/10
B メモを渡す8.8約60/10
C Bに「メモにないことは書かない」を足す8.9約3〜41/10
D Cに「気づき・教訓・感想も書かない」を足す9.0約0.46/10

Aは、メモの事実が10本のうち9本で1か所も入りませんでした。1本だけ、依頼文の「2週間」と、偶然「5本」が合っています。作った数字は1本あたり1個弱で、作られたのは出来事と気持ちです。たとえば「応援のコメントをくれる人がいたことに、すごく励まされました」。メモにはありません。

Bは、事実がほぼ入りました。それでも、メモにない文が約6か所残り、その多くは教訓です。

Cは、約3〜4か所に減りました。内訳は、教訓が約2か所、出来事と気持ちが約1か所ずつです。教訓の例は「自分の実体験に基づいた記事が読者に届きやすいということを学ぶことができた」、気持ちの例は「正直、反応の薄さに戸惑いました」。どちらもメモにありません。

Dは、ほぼ消えました。禁じた種類の文を数えているので、減るのは設計どおりです。見たいのは、代わりに何が起きたかです。10本を読んだところ、ほとんどがメモを並べ直した文章でした。同じ「3本目」の行を、BとDで比べます。メモには、閲覧41・スキ5と、「自分が実際に試した」ことしかありません。

(B)転機は3本目でやってきました。自分が実際に試した「家計簿アプリを3つ比べた話」を書いたところ、閲覧数41、スキ5と大きく伸びました。これまでの投稿の中で最も反応の良い結果です。この成果の差は何か考えてみると、AIに頼るのではなく、自分の実体験に基づいた記事が読者に響くということが見えてきました。

(D)3本目は、自分が実際に試した「家計簿アプリを3つ比べた話」を書きました。これが閲覧41、スキ5と、2週間の中でいちばん多い結果になりました。

違いは、Bの最後の1文です。メモにない原因と教訓を、書き手の気づきのように書いています。

メモがあるB〜Dでは、メモにない数字はありませんでした。

試したこと:同じメモから、4通りの頼み方で書かせた

試験に使ったのは、ZEN AI LABが作った架空のメモです。副業でnoteに記事を出した2週間の記録で、10行あります。

10/1〜10/14の2週間、noteに記事を5本出した
平日は帰宅後に40分だけ。土日は1時間
1本目:ChatGPTに「副業の始め方」を書かせて、ほぼそのまま公開 → 閲覧7、スキ0
2本目:タイトルを3回書き換えた。それでも閲覧9
3本目:自分が実際に試した「家計簿アプリを3つ比べた話」を書いた → 閲覧41、スキ5(いちばん多かった)
サムネ作りに毎回20分かかったので、4本目から作るのをやめた
Xで告知:朝7時台は反応なし。昼の12時台に投稿した回だけ、閲覧が12増えた
5本目:AIが書いた「ブログの7割は3か月で更新が止まる」という数字を調べずに載せた → コメントで出典を聞かれて答えられず、記事を非公開にした
AIに任せると「〜が重要です」ばかりになるので、自分で書いた1行目だけ残した
2週間の合計:閲覧118、スキ9、フォロワー+3

数字と、うまくいかなかったことは入れました。気持ちは入れていません。

頼み方は4つです。どれも「note記事(900字前後・見出しなし・です・ます調)」を頼んでいます。

  • A:メモを渡さず、「会社員が副業としてnoteに記事を書いた2週間の体験を」と頼む
  • B:メモを渡して、記事にしてもらう
  • C:Bに、「メモにない数字・出来事・固有名詞・感想は書かない。足りないところは【ここに○○を足す】と入れる」を足す
  • D:Cに、「メモにない気づき・教訓・感想の文も書かない」を足す

A〜Cの30回で、残るのが教訓の文だと分かったので、Dはそのあとに足しました。モデルは、Claudeの小型(Haiku 4.5)と中型(Sonnet 5)です。条件ごとに、モデルごと5回ずつで10本になります。数えたのは、頼み方を伏せた別のClaude2人で、人は数えていません。

手順:事実はAIに、気づきは自分で

手順は3つです。メモに入れるものと指示文は試験で使った形で、仕上げの自問は、試験では試していない私たちの提案です。

1. メモに入れるものを拾う

試験のメモは10行でした。入れたのは、次の5種類です。

  • いつ、どれくらい(期間、1日にかけた時間)
  • やったこと(1行に1つ)
  • 画面で見た数字(閲覧数、スキなど。見ていない数字は書かない)
  • うまくいかなかったこと
  • 調べずに載せたもの、迷ったこと

大きな成果は要りません。試験では、こうした記録だけで、事実の入った文章になりました。自分の気持ちや気づきがすでにあるときは、メモに入れて構いません。ただ、試験のメモには気持ちを入れていないので、その場合の結果は試していません。

2. 頼む

試験で使った頼み方(D)は、次のとおりです。

次のメモをもとに、note記事(900字前後・見出しなし・です・ます調)にしてください。

メモ:
(ここにメモを貼る)

追加の指示:メモに書かれていない数字・出来事・固有名詞・感想は書かないでください。メモだけでは書けない部分は、書かずに【ここに○○を足す】と入れてください。
『〜だと分かりました』『〜と実感しました』のような、メモにない気づき・教訓・感想の文も書かないでください。

試験では、メモの先頭に「架空のメモ」と書いた1行がありました。それ以外は同じです。Dで頼むと、気持ちや教訓の文はほぼ出ません。出てきたときは、自分が思ったことだけ残します。

3. 仕上げ:空欄に、自分の気づきを書く

【ここに○○を足す】の空欄は、自分で書く場所の目印になります。CとDの20本のうち10本で、空欄は「今後の方針」「学び」「感想」の位置に出ました。たとえばこうです。

今回の5本を振り返って感じたことは、【ここに感想を足す】です。

そこに書くことが思いつかないときは、次の3つを自分に問います。

  1. やってみて、予想と違ったことは何か
  2. 次に、やめること、変えることは何か
  3. 迷って、結局どうしたか

実際に思ったことだけを書きます。思いつかなければ、空欄は消して公開して構いません。

空欄の位置が不自然なこともあります。試験では、メモにない欄(「4本目の記事内容を足す」)を作った回がありました。その空欄は消します。

最後に、数字と固有名詞をメモや画面と見比べます。AIは、メモの数字が正しいかまでは確かめられません。

それでも残ること

メモを作る手間は残ります。何分かかるかは測っていません。

気づきを書く作業も残ります。Dでは、AIに書かせない代わりに、自分で書くことになります。

メモがなければ、AIはその空白を作り話で埋めます。Aがそうでした。

直す時間が短くなるかは、測っていません。この試験では、記事を公開していません。

同じ手順(AIで下書き、自分で直す)で、ゼロから書くより楽という声もあります(無料講座の案内つきの記事です)。リライトに25分かかり、最初から自分で書いたほうが早いと感じた人もいます。

会議のまとめをAIに任せるときの確認の場所は、AI議事録を18回試した記事にまとめました。

AIに商品の説明を書かせる前に、値段は自分で確かめておきたいところです。手順はメルカリの相場の調べ方にまとめました。

まとめ

  • 作り話が出るのは、メモにない部分です。メモを渡すと、事実はほぼ入ります
  • 禁じる指示を足すと、禁じた文は出なくなります。代わりに、メモを並べ直した文章になります(10本を読んだ範囲では)
  • 気づきは、自分の言葉で書きます

次にやることは3つです。

  1. 直近の1本について、メモに入れる5種類を拾う
  2. 上の頼み方(D)で書かせる
  3. 空欄に、自問の答えを自分の言葉で書く

試験の記録

  • 日時・環境:2026年10月1日。Claude Codeの claude -p で実行(ツール・設定・プロジェクトの文脈なし。「ツールは使わず、依頼された記事の本文だけを返してください。前置きや後書きは不要です。」というシステム指示1行つき)。モデルは claude-haiku-4-5-20251001 と claude-sonnet-5
  • 回数:4条件×2モデル×5回=40回。A〜C(30回)の結果を見てから、Dを追加した
  • 採点の経緯:メモの事実9つの有無と、メモにない数字は機械で数えました。作り話(出来事・気持ち・気づき)は、頼み方とモデルを伏せたClaude(opus指定)2人が数えました。試験の対象と同じClaude系統です。A〜Cの30本(判定者2人)の合計は255と230で、30本中27本で差が±2以内でした。DとCを混ぜた20本(別の判定者2人)は、20本すべて差が±2以内で、Cの合計は、1回目の判定の41と32から、38と39になりました。判定者によって数え方に差があります
  • 基準の変更:基準は出力を作る前に固定しました。変更は1件で、開示語の誤判定を直しました(結果は変わりません)。作り話を出来事・気持ち・気づきに分けたのは、出力を読んだあとです
  • 結果の読み方:「3本目」の引用は、Bは Haiku、Dは Sonnet の出力の一例です(Dの10本は、どれも3本目をメモどおりに書いています)。BとCの1本ごとの幅は重なります(Bは4〜9か所、Cは0〜9か所)。Dは、禁じた種類の文を数える設計なので、減るのは当然です。Dの10本はすべて読みました
  • 限界:1つの短い架空メモ、「体験談」1形式、Claudeの2モデル、ChatGPTでは未試験です。各条件10本の観察で、差は偶然かもしれません。出力の形(【】の有無、メモの事実の有無)から頼み方が推測できました。文章としての質、読まれるか、直す時間は測っていません
  • 実行の記録:Dの1回は、1回目の実行が300秒でタイムアウトし、同じ依頼で再実行しました