福岡の全レースのうち、3コースの艇がまくりで1着になったレースは8.18%でした。全国は5.09%で、24場の中で福岡より多いのは戸田だけです。一方、まくり差しで決まったレースは7.36%で、24場でいちばん少ない場でした。
「福岡はセンターのまくり」と聞いて、3コースと4コースを同じ重さで見ていませんか。ここでいうコースは、艇が実際に入った位置のことで、枠番(号艇)とは別です。福岡で多いのは3コースのまくりで、4コースの1着は全国より少なくなっています。3コースと4コースを分けて見ると、福岡の出走表の読み方が1つ変わります。
満潮と干潮でインの有利さが変わるのか、という疑問もよく見かけます。Yahoo!知恵袋にも、どちらがインに有利かを尋ねる質問がありました。こちらは、手元の記録に潮の高さが入っていないので、数字では確かめられません。この記事では、潮の代わりに何が数えられるかまで書きます。
使ったのは福岡の2023年1月〜2026年9月の記録で、中止を除くと8,639レースあります。ZEN AI LAB が自社の販売ツールで集めた研究用のデータです。予想や買い目には触れず、競艇のデータでほかに何が数えられるかは競艇のデータの見方と集め方で紹介しています。
公式の「センターのまくり」は、3コースで確かめられた
BOATRACE 公式サイトの場の紹介は、福岡のレースと水面を次のように書いています。
1マークの振り幅の影響により、インの占有域が狭いため、センターからのまくりが効きやすい。
海水に近い汽水。1マークは那珂川の河口に位置し、満潮時には、やや難水面になる。
この2文には、数えられることが3つ入っています。センターからのまくりが多いか。インが弱いか。満潮で水面が変わるか。結果は、1つ目が3コースについてだけ確かめられ、2つ目は1号艇が低い向きには出ず、3つ目は記録が無くて確かめられませんでした。
福岡で1着になった艇を、進入したコースごとに分けました。

3コースの1着は14.86%で、全国の12.72%より2.14ポイント多く、24場で4番目でした。その中身がまくりです。3コースからのまくりは8.18%で、全国5.09%との差は+3.09ポイント、95%の幅は+2.51〜+3.68でした。2023〜24年も2025〜26年も、全国より多い側です。
センター全体でも数えました。3コースと4コースのまくり・まくり差しを並べました。
| センターの決まり手 | 福岡 | 全国 |
|---|---|---|
| 3コースのまくり | 8.18% | 5.09% |
| 3コースのまくり差し | 2.93% | 4.68% |
| 4コースのまくり | 3.82% | 4.93% |
| 4コースのまくり差し | 1.99% | 2.72% |
| 4つの合計 | 16.92% | 17.42% |
4つを足すと16.92%で、全国の17.42%と差が見えません。福岡のセンターは、勝つ回数は全国並みで、勝ち方が3コースのまくりに寄っている場でした。3コースのまくりが増えた分を、3コースのまくり差しと、4コースのまくり・まくり差しが打ち消している形です。
3Rの番組を除いても、3コースのまくりは多い
福岡の3Rは、番組名に「カタメン3」が付く日が多いレースです。福岡の公式サイトのお知らせ(2024年3月20日掲載・2026年11月6日に閲覧)によると、2024年2月20日から始まった企画レースで、3Rは3号艇に、1Rは1号艇に、A級か主力の選手を入れます。3Rでは3号艇の1着が31.25%もありました。3コースの多さが、このレースだけで生まれている可能性があります。
そこで3Rを除いて数え直しました。
| 数え方 | 福岡の3コースのまくり | 全国 |
|---|---|---|
| 全レース | 8.18% | 5.09% |
| 3Rを除く | 7.41% | 4.97% |
| 「カタメン」の付くレースを除く | 7.73% | 5.06% |
除いても、全国より2.4〜2.7ポイント多いままでした。3コースのまくりは、3Rの番組だけでは説明できません。
1号艇が負けたレースで、どのコースが勝ったかも見ました。
| 勝ったコース | 福岡 | 全国 |
|---|---|---|
| 2コース | 33.64% | 29.82% |
| 3コース | 34.39% | 27.99% |
| 4コース | 19.50% | 23.39% |
| 5コース | 9.35% | 13.42% |
| 6コース | 2.30% | 4.15% |
福岡で1号艇が負けると、3回に1回強は3コースが勝っています。2コースも33.64%で全国より多く、4〜6コースはどれも全国より少ない値です。2コースの1着は全体でも14.64%(全国13.64%)で、2023〜24年も2025〜26年も全国より多い側でした。

4コースの1着とまくり差しは、全国より少ない
センターのもう片方、4コースは逆でした。4コースの1着は8.43%(全国10.63%)で、24場で2番目に少ない値です。4コースからのまくりも3.82%で、全国の4.93%を下回りました。
まくり差しは7.36%(全国11.86%)で、24場でいちばん少なくなっています。2023〜24年も2025〜26年も全国より4ポイント以上少ない値でした。差しは12.02%で全国(12.60%)と差が見えず、まくりは18.02%で全国(15.54%)より多くなっています。外の艇が勝つ形は、福岡ではまくりのほうに寄っています。
スタートタイミング(ST)も、4コースから外で遅れていました。

フライングと出遅れを除いた平均は、1〜3コースが全国とほぼ同じです。4コースは0.1697秒で全国の0.1603秒より0.0095秒遅く、5コース・6コースも0.007〜0.009秒遅い値でした。4コースから外の艇がスタートで遅れ、3コースの艇はそうではない。この記録の形は、3コースのまくりが多いことと向きがそろっています。ただ、それが理由かどうかは、この数え方では分かりません。
決まり手の意味は競艇の決まり手の割合、24場の決まり手の並びは逃げ・まくり・差しが多い競艇場にあります。
1号艇は全国より低くなかった
公式の「インの占有域が狭い」からは、1号艇が弱い場を思い浮かべます。ところが、福岡の1号艇の1着率は56.78%で、全国の54.59%より2.19ポイント高く、24場で9番目でした。
年ごとに分けると、2023年55.78%、2024年55.70%、2025年56.28%で、どの年も全国との差の幅は0をまたぎます。2026年(1〜9月)は60.42%で、全国より5.48ポイント高くなりました。期間を2つに分けても、2023〜24年は差が見えず、高いのは2025〜26年です。福岡の1号艇は「全国並みか、やや高い」です。
なお、1Rも番組名に「カタメン1」が付く日が多く、1号艇の1着が74.86%ありました。番組名に企画名が付くレース(1R・3R)を除くと、1号艇は56.33%で、全国の55.09%との差は2023〜24年に見えなくなります。
潮は記録に無い。強い風(5m以上)の日は24場で2番目に少ない
BOATRACE 公式サイトの場情報では、福岡の水質は汽水、干満差はありと書かれています。ただ、手元のデータベースにある水面の記録は、天候・気温・水温・風速・風向き・波高だけで、潮位や満潮・干潮の時刻は入っていません。満潮の時間帯で1号艇がどう変わるかは、この記事では答えられませんでした。
波高も使っていません。福岡で波高と風速が同じ数字だったレースは89.54%で、波の記録が風速を写したものになっている可能性が高いからです。うねりの記録もありません。
風速は数えられます。福岡で5m以上の風が吹いていたレースは7.61%で、24場で住之江に次いで少ない値でした。全国は15.83%です。6m以上は170レースしかありません。ただし、平均の風速は2.81mで全国並みです。
潮を自分で確かめたいなら、気象庁の「潮位表」を使う方法があります。各地の満潮・干潮の時刻を選んだ期間で表示できるページで、値は天文潮位の予測で、実際に観測した潮位とは違います。近くの地点の満潮の時刻を、日付と時刻でレースの締切の列に結べば、満潮に近いレースだけを抜き出せます。ZEN AI LAB はまだこの結びつけをしていないので、結果の数字はありません。
潮の記録が無い点は、ほかの海の場でも同じです。宮島競艇の特徴でも同じ壁に当たりました。
自分の CSV で、3コースのまくりを数える
福岡の3コースのまくりは、艇ごとの CSV で数え直せます。
- 福岡の艇ごとの CSV を開く(1行が1艇。D列がレース番号、AS列が進入コース、AU列が着順、AW列が決まり手)
- 進入コースが3で、着順が1の行のうち、決まり手が「まくり」の行を数える
- 中止を除いたレース数で割る
- 3Rを除いた数も出し、番組の影響を見る
手順2と3をまとめると、次の式になります。分母は1号艇の行(J列が1)で、決まり手が空の中止レースを除きます。
=COUNTIFS(AS:AS,3,AU:AU,1,AW:AW,"まくり")/COUNTIFS(J:J,1,AW:AW,"<>")
検算すると、福岡の1号艇の1着は4,905÷8,639で56.78%です。
3コースのまくりは、福岡でも12レースに1回ほどしか出ません。30日分(およそ204レース)なら17回前後で、偶然でも数回は上下します。全国との差の2〜3ポイントを見分けるには、少なくとも年単位の記録が要ります。COUNTIFS の組み方は競艇のデータ分析をエクセルでする方法に例をまとめています。潮位の列を足して満潮のレースを抜くにも、まず年単位の結果の表が手元に無いと始まりません。
福岡の決まり手を年単位でためるには
年単位の表を作るところは、ZEN AI LAB の自社ツール BoatData Collector Pro が受け持てます。8,639レースの数字も、このツールで取ったデータから数えました(今回は販売版と同じプログラムをコマンドから実行)。
- 取る場と期間を選ぶだけで、出走表・展示/直前情報・結果・払戻などが集まります
- 何日分を取っても、すでにある分は飛ばし、途中で止まれば止まった所から取り直します
- 艇単位の表(進入コース・着順・決まり手の列つき)と、レース単位の表を Excel・CSV で出せます。締切の時刻の列もあるので、潮位の表と結ぶ下地になります
予想・買い目・自動投票の機能はありません。BOATRACE や公式サイトとは関係のない非公式のツールで、データの正確性は保証していません。
製品版のくわしい内容はBoatData Collector Pro のページです。直近30日まで取れる無料版は、LINE 公式アカウントの友だち追加のあとに受け取れます。無料版のページで中身を確かめられます。
福岡県の別の場で、レース番号によって1号艇が大きく変わるのは芦屋競艇の特徴です。
競艇のデータを、何か月分も自分で集めて数えるなら

BoatData Collector Pro は、競艇の公開データを期間と競艇場を選んで集め、Excel・CSV に書き出す自社ツールです。予想や買い目は出しません。保存できるのは2016年10月1日以降のレースです。
- BoatData Collector Pro:6,000円(買い切り・note。ココナラでも6,000円)
- 分析版 BOAT DATA PRO:10,000円(ココナラ)。集めたデータを進入コース別・選手別などに集計する画面つき
- 無料版:直近30日まで(LINEで受け取り)
価格は2026年11月7日の表示です。変わることがあるので、買う前に各ページで確かめてください。Windows 11(64bit)用です。
確かめたことと、データでは分からないこと
- 公式の説明は、BOATRACE 公式サイトの場の紹介・場情報と、ボートレース福岡の公式サイトの場データ集で読みました
- うねりと1マークの振り幅は記録に列が無いので、データでは確かめられません。満潮・干潮も記録に列が無く、潮汐表の時刻を足せば分けて数えられますが、まだ確かめられていません
- STの遅れと3コースのまくりの因果は、記録を数えるだけでは分かりません
- どの数字も2023〜2026年の記録で、これからのレースが同じになる約束ではありません
まとめ
- 福岡の「センター」は3コースと4コースで分けて見る。3コースのまくりは8.18%で全国の1.6倍、4コースの1着は全国より少ない
- まくり差しは24場で最も少ない。福岡で外の艇が勝つ形は、まくり差しよりまくり
- 1号艇は全国並みか、やや高い。「インが狭い」から1号艇を低く見積もる根拠は、この記録には出ていない
24場のコースごとの並びは競艇24場の枠番別・コース別1着率、スタートの見方は競艇のスタート展示の見方にあります。
LAB 記録(読み飛ばしてかまいません)
- 研究用データベースを読み取り専用で開いて数えました。計画は数える前に書きました。1号艇・センターのまくり・風・決まり手は計画どおりです。3コースと4コースを分けたこと、STのコース別、3Rや「カタメン」の付くレースを除いた数え直しは、結果を見てから足しました
- センターの4つ(3・4コースのまくりとまくり差し)の合計の差は−0.50(幅−1.30〜+0.31)でした
- 風速の平均は2.81m(全国2.80m・24場で14番目に弱い)、3m以上の風のレースは59.37%(全国51.38%)です
- 6コースの1着の差は−0.89で、1.0ポイントに届きません
- 潮位表のページは、ZEN AI LAB が2026年10月31日に宮島の記事のために読んだ記録によります
- 差と呼んだ条件は、全国との差の95%の幅が0をまたがない、1.0ポイント以上、2023〜24年と2025〜26年で同じ向き、の3つです。比べた数が多いので、偶然で条件を満たすものも混ざります
- 1号艇の全国との差は、2023〜24年が+1.19(幅−0.26〜+2.63)、2025〜26年が+3.41です。全期間では幅+1.12〜+3.25ですが、前半で0をまたぐので「差」とは呼んでいません
- 1Rと3Rを除いた1号艇の差は、2023〜24年が+0.02、2025〜26年が+2.72でした
- 3コースのまくりの差は、2023〜24年が+3.33、2025〜26年が+2.81です。3Rを除くと+2.81と+2.01でした
- 「24場で2番目」は、全レースに対する3コースのまくりの割合の並びです(最多は戸田の9.00%)
- STはフライング・出遅れの艇を除いた値です。4〜6コースの遅れは2023〜24年も2025〜26年も同じ向きでした
- 波高と風速が同じ数字だった割合は、ZEN AI LAB が10月31日に24場で数えた値です
- 期間は2023年1月3日〜2026年9月27日、開催は720日です。全8,688レースのうち中止の49レースを除きました。艇ごとの CSV にすると52,128行です
- 比較先の全国は207,662レース(全210,600レースから中止を除く)で、福岡自身も含みます
- BOATRACE 公式サイトの場情報の表(2026年8月〜10月)では、福岡の1コースの1着率は61.1%でした。要約で読んだ値で、期間も違うので比べていません
- 冒頭の質問は Yahoo!知恵袋の質問で、ZEN AI LAB の悩み調査(2026年11月5日)で記録したものです。原文は引用せず、内容だけ書きました
- 30日のレース数は、全日を起点に30日ずつ数えた中央値です。CSV の列の位置は、艇ごとの書き出し(51列)の並びです
- 取得は2026年9月28日、ツールのコマンド操作によるものです。取得元は非公式の API と公式の配布ファイルです。公式サイトは2026年11月6日に単発で読み、販売ページの記述は2026年10月29日の保存分によります

