地元の選手の1着は、同じ条件の艇から出した見込みより約4%多くなっていました。条件は、同じ場・同じ進入コース・同じくらいの全国勝率・同じくらいの相手の強さです。1着率にすると実際18.15%・見込み17.43%で、差は0.72ポイントでした。有利な傾向はありますが、成績を無視して買えるほどの差ではありません。
3着以内も同じ向きで、地元は見込みの1.0274倍でした。東京・福岡のように場が複数ある支部は、県内のどの場も地元として数えました。東京支部は江戸川だけに差があり、平和島・多摩川では差が見えませんでした。福岡支部は3場とも見込みを上回る値でした。
「地元選手が地元会場で3着以内に入る確立は 結構高いのでしょうか?」。Yahoo!知恵袋に2008年に出た質問の一部です(質問ページ)。2025年には「福岡とか東京とかは 地元はどうなってるのでしょうか?」という質問も出ています(質問ページ)。
読み終えると、地元を決める対応表の作り方、コースをそろえた比べ方、場ごとの差が分かります。自分で数え直す式も載せます。数えたのは、ZEN AI LAB が作って販売している自社ツールで集めた研究用データベースの約124万艇(2023年1月〜2026年9月)です。競艇のデータで何が数えられるかの全体は、競艇のデータの見方と集め方にまとめています。
コース・勝率・相手をそろえても、地元の1着は見込みの1.04倍
コースが同じでも、地元の選手がもともと強いだけかもしれません。相手が弱いレースに入りやすいだけかもしれません。そこで、次の4つが同じ艇どうしで1着率を出しました。
- 同じ場
- 同じ進入コース
- 自分の全国勝率の帯(0.5ずつ)
- 同じレースの他の5艇の全国勝率の平均の帯(0.5ずつ)
その1着率を地元の艇1艇ずつにあてはめて足すと、「同じ条件なら何回1着になりそうか」の見込みになります。
地元の艇の1着は、見込み17.43%に対して実際18.15%でした。見込みの1.0414倍で、100回の1着が見込まれるところで約104回だった計算です。3着以内は1.0274倍でした。地元以外は1着が0.9876倍で、見込みより少し少ない値です。
年ごとに分けても、地元の1着は4年とも1.037〜1.046倍でそろっていました。
見込みとの比で見ると、全国勝率5未満の帯がいちばん大きく、1.0723倍でした。5点台は1.0427倍、6点台は1.0268倍、7点以上は1.0284倍で、5点以上の帯は1.03〜1.04倍です。全国勝率の帯ごとの1着率そのものは、競艇の選手データの見方にあります。
同じ選手で比べた結果もあります。地元と地元以外の両方で30走以上した1,656人のうち、58.03%は地元のほうが見込みより多く1着になっていました。差の真ん中の値は、見込みに対して約4.6%です。残りの40.40%は、地元以外のほうが上でした。
地元は「支部」と「場の所在地」で決める。対応表の作り方
出走表には、選手ごとに「支部」の欄があります。公式の用語辞典では、所属支部は「各レーサーが所属する地域のこと」です。研究用データベースの支部の値は18種類で、すべて都道府県の名前でした。
場のほうは、BOATRACE 公式サイトの各場のページにある「所在地」の都道府県を使いました。24場の所在地も、ちょうど同じ18都道府県です。そこで、この記事では「選手の支部と、場の所在地が同じ都道府県なら地元」と決めました。
| 支部 | 地元の場 |
|---|---|
| 群馬 | 桐生 |
| 埼玉 | 戸田 |
| 東京 | 江戸川・平和島・多摩川 |
| 静岡 | 浜名湖 |
| 愛知 | 蒲郡・常滑 |
| 三重 | 津 |
| 福井 | 三国 |
| 滋賀 | びわこ |
| 大阪 | 住之江 |
| 兵庫 | 尼崎 |
| 徳島 | 鳴門 |
| 香川 | 丸亀 |
| 岡山 | 児島 |
| 広島 | 宮島 |
| 山口 | 徳山・下関 |
| 福岡 | 若松・芦屋・福岡 |
| 佐賀 | 唐津 |
| 長崎 | 大村 |
公式の用語辞典に「地元」の項目は無く、この決め方はこの記事の決めごとです。この決め方で、地元の艇は全出走1,243,521艇のうち22.05%でした。1レースに地元が1艇もいないレースが31.69%、6艇とも地元のレースが5.09%あります。
コースをそろえると、1〜5コースで地元の1着率が高い
そのまま比べると、地元の1着率は18.15%、地元以外は16.29%でした。ただ、この差には番組の組み方が混ざります。地元の艇が1号艇に入った割合は17.84%で、地元以外の16.34%より少し高い値です。1号艇は1コースを取りやすく、1コースは1着が多いコースです。

1コースでは地元が57.34%、地元以外が54.30%で、3.04ポイントの差でした。2〜5コースも、地元が0.71〜1.22ポイント高い値です。95%の幅(数のぶれを考えても値が入りそうな範囲)は、1〜5コースのどれも重なりません。6コースだけは1.84%と1.93%で、そのまま比べると差がありませんでした。
質問にあった3着以内も、そのまま比べた値を並べます。
| 進入コース | 地元の3着以内 | 地元以外の3着以内 |
|---|---|---|
| 1コース | 82.94% | 80.83% |
| 2コース | 58.49% | 57.10% |
| 3コース | 55.78% | 53.96% |
| 4コース | 49.99% | 47.41% |
| 5コース | 38.86% | 36.64% |
| 6コース | 21.73% | 22.15% |
6コースは、そのまま比べると地元のほうがわずかに低い値です。ただ、全国勝率と相手の強さまでそろえると、6コースの地元の3着以内は見込みの1.0549倍でした。
場ごとの差。24場のうち22場で地元が上、東京の2場は差が見えない

場ごとに、地元の艇の「実際÷見込み」を出しました。24場のうち22場で、同じ場の地元以外を上回っています。95%の幅が1を上回る(見込みより多いと言える)場は17場でした。
いちばん大きいのはびわこの1.1082倍で、津1.0980倍・三国1.0847倍が続きます。いちばん小さいのは多摩川の0.9807倍で、平和島も0.9894倍でした。どちらも95%の幅は1をまたいでいて、地元の差は見えません。
場ごとのコース別の1着率そのものは、競艇24場の枠番別・コース別1着率にあります。
東京・福岡のように場が複数ある支部では、場ごとに違う
2つめの質問にあった、場が複数ある支部です。地元の場で走った東京支部の選手190人のうち、83.68%は県内の3場すべてで走っていました。福岡支部は252人のうち93.25%です。多くの選手が県内の全部の場を走っています。

福岡支部は、若松1.032倍・芦屋1.023倍・福岡1.038倍で、3場とも見込みより多い値でした。山口支部も、徳山1.050倍・下関1.023倍です。ただ、芦屋と下関は95%の幅が1をまたぎます。
東京支部は、江戸川だけが1.056倍で、平和島と多摩川は1を下回りました。愛知支部も、常滑は1.014倍で95%の幅が1をまたぎます。同じ支部でも、場によって地元の差が出る場と出ない場がありました。
東京支部の選手を県外の場で見ると、1着は見込みの0.9479倍です。それと比べれば、平和島・多摩川でも県外よりは高い値です。どちらを物差しにするかで、見え方が変わります。
自分の場で、地元の1着を数え直すには
ここまでの数字は、全国をまとめたものです。よく行く場だけで見たいときは、艇ごとの結果を1行ずつ持っていれば数え直せます。
BoatData Collector Pro の「艇ごとに1行」の CSV では、C列が venue_name(場の名前)、N列が branch(支部)です。AS列が actual_course(進入コース)、AU列が finish_position(着順)でした。支部の値は「東京都」のように都道府県の名前で入ります。列の位置は1行目の列名で確かめてください。
- 見たい場と期間を「艇ごとに1行」で CSV に書き出し、エクセルか Google スプレッドシートで開きます
- 別のシートに、上の対応表を「場の名前」と「都道府県」の2列で作ります(24行。例: 江戸川 → 東京都)。この範囲に「対応表」と名前を付けます
- 空いた列(例: AZ列)の2行目に
=IF(N2=VLOOKUP(C2,対応表,2,FALSE),"地元","")を入れて下へコピーします - 地元の艇の1コースの数を
=COUNTIFS(AZ:AZ,"地元",AS:AS,1)、そのうち1着の数を=COUNTIFS(AZ:AZ,"地元",AS:AS,1,AU:AU,1)で数えます
“地元” を “” に変えれば、地元以外です。2026年8月24日の1日分(12場・864艇)では、地元の艇が120艇、そのうち1コースが23艇で、1着は18艇でした。Python で数えた値です。
地元の艇は、1つの場で1年に約3,050艇です。そのうち1コースは約550艇なので、1着率は±4ポイントほど揺れます。地元の差(1コースで3ポイントほど)を1場で見分けるには、何年分かを集めて並べる必要があります。その作業は、ツールに任せる手もあります。
出走表と結果を何年分も集めるところを任せるなら
ZEN AI LAB の自社ツール BoatData Collector Pro は、この記事の数字を数えた研究用データベースを作ったツールです。期間と競艇場を選んで、競艇の公開データをまとめて集める Windows 用のツールです。
- 出走表・展示/直前情報・結果・払戻を取得し、SQLite にためます
- 取得済みのデータは取り直さず、次は続きから取得します。Excel・CSV に書き出せます
使う前の注意
- 予想・買い目・自動投票の機能はありません。集めて保存し、出力するまでです
- 公式サイトや BOATRACE とは関係のない、非公式のツールです。データの正確性は保証していません
- 無料版があります。取得できる期間は直近30日までです。製品版は期間を自分で選べます(保存できるのは2016年10月1日以降のレース。2026年11月に実際に取得して確かめた範囲)
くわしくはBoatData Collector Pro 無料版のページと、BoatData Collector Pro のページにあります。
地元かどうかとは別に、その場での成績の数字をどう見るかは全国勝率と当地勝率の違いへ。
地元かどうかのほかに、年齢で1着がどう変わるかはボートレーサーの年齢のピークで確かめています。
競艇のデータを、何か月分も自分で集めて数えるなら

BoatData Collector Pro は、競艇の公開データを期間と競艇場を選んで集め、Excel・CSV に書き出す自社ツールです。予想や買い目は出しません。保存できるのは2016年10月1日以降のレースです。
- BoatData Collector Pro:6,000円(買い切り・note。ココナラでも6,000円)
- 分析版 BOAT DATA PRO:10,000円(ココナラ)。集めたデータを進入コース別・選手別などに集計する画面つき
- 無料版:直近30日まで(LINEで受け取り)
価格は2026年11月7日の表示です。変わることがあるので、買う前に各ページで確かめてください。Windows 11(64bit)用です。
確かめたことと、データでは分からないこと
数字はすべて、研究用データベース(2023年1月1日〜2026年9月27日)を読み取り専用で開いて数えました。所属支部の意味と24場の所在地は、BOATRACE 公式サイトのページで確かめました。19場は以前の記事で保存した写しを使い、5場は2026年11月7日に開いて読みました。
データでは分からないのは、地元の選手が強くなる理由です。水面への慣れ、地元戦への力の入れ方、整備の時間は、どれも記録に無く測っていません。レースの格(グレード)ごとの違いも、この記事ではそろえていません。
数字はどれも過去のレースを数えたものです。地元の選手を買えばよいという意味ではなく、この先の結果を約束するものでもありません。地元の差がオッズにどれくらい入っているかも数えていません。
まとめ
- 同じ場・コース・全国勝率・相手の強さで比べると、地元の1着は見込みの約1.04倍でした。差は1着率で0.72ポイントです
- そのまま比べると、1〜5コースで地元が高く、6コースは差がありませんでした
- 24場のうち22場で地元が上でしたが、平和島・多摩川では差が見えませんでした
- 出走表で地元の選手を見つけたら、まず進入コースと全国勝率を見て、地元はその上に少し足す材料として扱う
LAB 記録(読み飛ばしてかまいません)
- 分母は、進入コースが記録され、支部が入っている艇です。欠場で進入の無い艇と、支部が空の2,088行は除きました。失格・転覆などは「1着でない」として数えています
- 地元の定義(支部の都道府県=場の所在地の都道府県)は、計算の前に計画に書きました。支部で地元の艇のうち77.50%は、出身地も場と同じ都道府県でした
- 見込みの物差しは3回変えました。1回目は全国の「コース×全国勝率の帯」で1.0538倍でした。2回目は「同じ場×コース×全国勝率の帯」で1.0515倍でした。3回目(本文)は、検証の途中で相手の強さの帯を足し、1.0414倍です。どれも計画に追記してから計算しました
- 全国勝率の帯は0.5刻みで、8.0以上は1つにまとめました。相手の5艇の平均は7.0以上を1つにしました。全国勝率が0か空の艇(0.19%)は1つの帯にしました
- 細かく分けた区切りは17,545あり、艇の少ない区切りでは見込みが実際に寄ります。そのぶん、比は1に近めに出ている可能性があります。全国勝率には地元戦の成績も入るので、見込みが高めになり、比が控えめに出ている可能性もあります
- 見込みとの比の95%の幅は、地元の1着1.0346〜1.0482倍・3着以内1.0242〜1.0307倍です。艇を互いに独立とみなして出しています。同じ選手・同じレースの艇が似る分、実際の幅はもう少し広い可能性があります
- 全国勝率の帯ごとの1着率の差をポイントで見ると、5未満 +0.67・5点台 +0.77・6点台 +0.70・7点以上 +0.93 で、比とは並びが違います(1着率がもともと高い帯ほど、同じ比でもポイントは大きくなるため)
- 6コースの地元の3着以内の95%の幅は1.0382〜1.0716倍です。1着は1.0251倍で、幅は1をまたぎます
- 同じ選手の比べ方は、地元と地元以外のそれぞれで「実際÷見込み」を出し、その差の向きを数えました
- 18支部すべてで、地元の場の比が県外の場の比を上回りました
- 1場1年の艇数は、地元の274,172艇を24場と約3.7年で割った目安です。±4ポイントは、1着率を57%として1.96×√(p×(1−p)÷艇数)で出しました
- 2026年は9月27日までの値です
- 式は、2026年8月24日の1日分の CSV で、対応表と同じ当てはめを Python で数えて確かめました。エクセル本体と Google スプレッドシートには入れていません
- 悩みの原文は、2026年11月7日に質問ページを開いて照合しました
- 販売ページ2つは、2026年10月29日に開いて読みました

