夕方、桐生の1Rの出走表を開いて「桐生はインが弱いから」と外の艇を探す。そんな買い方をしている人は少なくないと思います。ただ、場の平均だけで「インが強い場・弱い場」と分けて考えていいのか、迷うところです。
数えてみると、桐生の1号艇の1着率は50.42%で、全国の54.59%より低めでした。ところがレース番号で分けると、低いのは1〜5Rです。1〜5Rは36.48%で24場の中で下から2番目、6Rは72.64%で24場でいちばん高い値でした。7〜12Rはまとめると全国並みです。
つまり、桐生では「どの場か」より「何レース目か」で1号艇の見方が大きく変わります。読み終えると、桐生の出走表でまずレース番号を確かめる理由と、赤城おろしや夏のまくりがどの程度の差なのかが分かります。
数字は、ZEN AI LAB の自社の販売ツールで集めた2023年1月〜2026年9月の桐生8,598レース(中止を除く)です。予想や買い目の話はしません。ほかの見方は競艇のデータの見方と集め方から探せます。
1号艇の弱さは1〜5Rに集まり、6Rで逆転する
桐生の1号艇は全国より4.17ポイント低く、偶然の上下を見込んだ95%の幅でも−5.25〜−3.09でした。2023〜24年も2025〜26年も全国より低く、24場では下から5番目です。
これをレース番号で3つに分けると、様子がまったく違います。
| レース | 桐生 | 全国 | 24場の順位 |
|---|---|---|---|
| 1〜5R | 36.48% | 50.33% | 低いほうから2番目 |
| 6R | 72.64% | 47.93% | いちばん高い |
| 7〜12R | 58.44% | 59.27% | 差が見えない |
1〜5Rは全国より13.85ポイント低く、2023年から2026年まで毎年33〜39%台でした。6Rは逆に24.71ポイント高く、こちらも2年ずつに分けてどちらも全国を大きく上回ります。7〜12Rの差は−0.83で、幅が0をまたぎます。ただ、番号ごとに見ると7Rは全国より6.46ポイント高く、9Rは6.23ポイント低めでした。7〜12Rが全国並みに見えるのは、この2つが打ち消し合っている面もあります。

6Rを除いて数えると、桐生の1号艇は48.39%です。全体の50.42%は、6Rの高さで少し持ち上がった値だと分かります。
6Rの番組名は「ドラドキ目玉」
桐生の6Rには、92.08%の日に「ドラドキ目玉」という番組名が付いていました。この名前の日の1号艇は74.36%で、そうでない57レースは52.63%です。一方、1〜5Rは、すべて予選か一般の番組でした。
レース番号の差は、番組の組み方によって1号艇に入る選手が違うことの表れかもしれません。ただ、桐生の公式サイト(2026年11月6日に閲覧)には番組の組み方の説明が見つからず、選手の級別もこの記事では数えていないので、そこはまだ確かめられていません。
1〜5Rの低さの主な理由は、1号艇が内に入れなかったことでもありません。1〜5Rでも1号艇は96.12%のレースで1コースに入っています(全国98.95%)。入ったうえで、1着を逃す割合が高いということです。
1〜5Rは、4コースとまくりの1着が多い
1〜5Rで1着になった艇の進入コースを、全国の1〜5Rと比べました。

1コースの1着が12ポイントほど少ない分は、2〜6コースに散っています。いちばん増えたのは4コースで、4〜6コースを合わせると28.89%(全国20.40%)でした。決まり手で見ると、1〜5Rのまくりは23.73%で、全国の1〜5Rの17.57%を上回ります。
全国でも、1〜5Rは1号艇の1着率が低めの番号です。桐生はその差がさらに大きい場です。全国のレース番号ごとの数字は競艇の1号艇の勝率にまとめています。
暗くなると1号艇が強くなるかは、確かめられなかった
桐生は、公式の紹介に「年間を通じナイター開催」とあります。1〜5Rは日の入り前、6R以降は日の入り後のことが多いので、「暗くなるとインが強くなるのでは」と考えたくなります。
桐生の日の入りは、夏至のころで19時3分、12月初めなら16時27分です。締切がそれより後のレースを「暗い」として、1号艇の率を分けました。
素のままだと、暗い時間の1号艇は58.98%、明るい時間は42.61%で、16.37ポイントも違います。ただ、1Rと2Rは日の入り後のレースが1つもありません。明るい側に、1号艇が弱い序盤の番号がほとんど入っている形です。
季節によって明るい日と暗い日が入れ替わる4R〜9Rだけで、同じ番号どうしを比べました。同じ日・同じレース番号の昼の17場で出た差も引いています。6つをまとめた差は+1.95ポイントで、幅は−1.61〜5.51でした。0と区別できないので、暗さそのものの差は確かめられません。比べられたのが4R〜9Rだけ、という限りもあります。素の16.37ポイントの大部分は、レース番号の違いで説明できる大きさでした。
ナイターの7場と昼の場の比べ方は、競艇のナイターは7場で詳しく扱っています。
冬と春は強い風が多く、夏は穏やか。夏はまくりが少し増える
ボートレース桐生の公式サイトは、水面をこう説明しています。
冬~春は「赤城おろし」と呼ばれる強風で水面が荒れることがある。夏場は穏やかな水面でまくりが効く。
季節ごとに、風速5m以上のレースの割合を数えました。

冬と春を合わせると、桐生の風速5m以上は21.96%、夏は5.52%でした。夏の4倍近くです。全国は冬と春が18.02%、夏が13.70%なので、季節で風が変わる幅は桐生のほうがずっと大きいことになります。
全国との差がはっきりしているのは、むしろ夏と秋の穏やかさです。夏は全国より8.18ポイント少なく、2年ずつに分けてもどちらも少ない側でした。冬と春は全国より3.95ポイント多いものの、2023〜24年だけでは幅が0にかかります。
ナイターの計測なので、夜は風が弱いだけでは、という見方もできます。そこで桐生以外のナイター6場と比べても、冬と春の5m以上は8.15ポイント多く、夏は2.68ポイント少なめでした。夜という条件をそろえても、季節の振れ幅は桐生のほうが大きいことになります。一年の平均の風速は2.55mで、全国の2.80mより弱めです。
| 季節 | 桐生のまくり | 全国のまくり |
|---|---|---|
| 春(3〜5月) | 18.55% | 15.21% |
| 夏(6〜8月) | 20.57% | 15.79% |
| 秋(9〜11月) | 16.56% | 15.52% |
| 冬(12〜2月) | 18.42% | 15.63% |
桐生のまくりは、もともと18.71%で24場の中で3番目に多い値です。夏はさらに増え、桐生のほかの季節より2.63ポイント多くなっていました(幅0.78〜4.48)。全国の夏の増え方を引いても+2.28で、幅は0.40〜4.16です。公式の「夏場はまくりが効く」と同じ向きですが、差は2ポイント台にとどまります。
公式の「標高が高く、モーターのパワー・出足は弱め」は、データに列が無いので数えられません。決まり手の意味は競艇の決まり手にあります。
レース番号の列で、自分で数える
桐生の数字を自分で確かめるなら、艇ごとの CSV で1号艇の1着率をレース番号ごとに出すのが近道です。
- 桐生の艇ごとの CSV を用意する
- D列のレース番号を1つ決める
- J列が1(1号艇)で、AU列が1(1着)の行を数える
- 同じ番号で、AW列の決まり手が空でない1号艇の行を数え、3を割る
- 2年ずつに分けて、同じ向きかを見る
1Rなら、式はこうなります。D列がレース番号、J列が枠番、AU列が着順、AW列が決まり手で、書き出したときの並びのままです。
=COUNTIFS(D:D,1,J:J,1,AU:AU,1)/COUNTIFS(D:D,1,J:J,1,AW:AW,"<>")
番号を外して全レースで割ると、この記事の50.42%になります(4,335÷8,598)。季節を見るなら、A列の日付から月を取り出す列を1つ足し、冬と夏で分けます。式の組み方は競艇のデータ分析をエクセルでする方法で詳しく書いています。
桐生でこれをやると、件数の壁にすぐ当たります。1か月(30日)の開催はおよそ192レースで、1Rだけなら16レース前後です。1Rの1号艇が40%か58%かを、16レースで見分けることはできません。全レースをまとめても、30日分では1号艇の率が上下およそ7.1ポイント揺れます。
この記事の表は、桐生の8,712レース分のコース・着順・決まり手・風速を並べて作りました。1レース15マスとして手で写せば、130,680マスです(行数からの推定)。この集める部分は、次の自社ツールに任せられます。
桐生のデータを何年分もためるなら
この記事のデータは、ZEN AI LAB の自社ツール BoatData Collector Pro で取りました。今回は販売版の画面ではなく、同じプログラムのコマンド操作です。日の入りの時刻や季節の列は、取得したあとに自分で足します。
- 場と期間を選び、出走表・展示/直前情報・結果・払戻などを集めます
- 途中で止まっても続きから取得し、取得済みの分は取り直しません
- レースごとに1行、艇ごとに1行の Excel・CSV に書き出せます
予想・買い目・自動投票の機能は、どの版にもありません。BOATRACE や公式サイトとは関係のない非公式のツールで、データの正確性は保証していません。
レース番号や季節で分けられるだけの年数を集めるなら、BoatData Collector Pro のページをご覧ください。無料版は直近30日までの取得で、LINE 公式アカウントの友だち追加のあとに受け取れます。説明は無料版のページにあります。
競艇のデータを、何か月分も自分で集めて数えるなら

BoatData Collector Pro は、競艇の公開データを期間と競艇場を選んで集め、Excel・CSV に書き出す自社ツールです。予想や買い目は出しません。保存できるのは2016年10月1日以降のレースです。
- BoatData Collector Pro:6,000円(買い切り・note。ココナラでも6,000円)
- 分析版 BOAT DATA PRO:10,000円(ココナラ)。集めたデータを進入コース別・選手別などに集計する画面つき
- 無料版:直近30日まで(LINEで受け取り)
価格は2026年11月7日の表示です。変わることがあるので、買う前に各ページで確かめてください。Windows 11(64bit)用です。
確かめたことと、データでは分からないこと
- 公式の説明は、桐生の公式サイトの水面特性と、BOATRACE 公式サイトの場の紹介で読みました
- 「冬~春は赤城おろしの強風」は、強い風の割合の季節差までです。風の向きは数えていないので、赤城山から吹く風かどうかは分かりません
- 「夏場はまくりが効く」は、夏のまくりが2ポイント台多いところまで確かめました
- 標高とモーターの出足は数えていません。風や決まり手の結果を、標高のせいだとは言えません
- まだ確かめられていないこと: 「ドラドキ目玉」がどんな組み方の番組かは、桐生の公式サイトに説明が見つかりませんでした。1〜5Rが低い理由も分かっていません
- どの数字も過去の集計で、今後のレースの結果を保証しません
まとめ
- 桐生の出走表では、まずレース番号を見る(1〜5Rと6Rで1号艇の率が大きく違う。7Rと9Rも全国とずれる)
- 冬と春は強い風の日が多い時期、夏は風が弱くまくりがやや多い時期として見る
- ほかの場と比べるなら、レース番号を揃えて比べる
ほかの場のレース番号の違いは、住之江競艇の特徴とも見比べられます。
LAB 記録(読み飛ばしてかまいません)
- 研究用データベースを読み取り専用で開いて数えました。計画は数える前に書きました。季節の風・夏のまくり・日の入りとの比較は計画どおりです。1〜5Rと6Rを主役にしたのは結果を見てからです。6Rの番組名、1号艇の1コース進入率、24場の並び、1〜5Rの1着のコースは後から足しました。強い風の割合の全国との差の幅と2年ずつの向き、ナイター6場との比較、1〜5Rの番組名、1コース進入率の全国値も後から足しました
- 期間は2023年1月2日〜2026年9月25日、開催は722日、中止は114レースです。比較先は全国207,662レース(全210,600レースから中止を除く)で、桐生自身も含みます
- 艇ごとの CSV にすると52,272行・51列です。使った列は race_date・race_no・deadline_at・boat_number・actual_course・finish_position・winning_technique・wind_speed です
- 波高の列は使っていません。桐生は38.6%のレースで波高と風速が同じ数字で、ほかの場では同じ数字の割合がさらに高い場もあり、全国と比べられないためです
- 日の入りは NOAA の簡易式で、桐生(北緯36.40度・東経139.30度)の値を出しました。誤差は数分です。締切が日の入りの時刻以後を「暗い」としました。比べたのは桐生のナイターの日8,537レースで、昼に開いた10日・61レースは除いています
- 同じレース番号の比較は、暗い・明るいの両方が50レース以上あった4R〜9Rです。昼の17場は、桐生と同じ日・同じレース番号のレースです。6つの値は誤差の大きさで重みを付けてまとめました。2023〜24年は+1.45、2025〜26年は+2.28です
- 1〜5Rの1号艇は、2023年37.10%、2024年39.06%、2025年35.40%、2026年33.90%でした。6Rの差は2023〜24年が+26.77、2025〜26年が+22.44です
- 6Rの「ドラドキ目玉」は、2023年1月2日から期間の最後まで毎年付いていました。級別の値は出さない取り決めのため、1号艇の級別は数えていません
- 夏のまくりの全国との差は、2023〜24年が+5.93、2025〜26年が+3.64でした。秋は+1.04で幅が0をまたぐので、差とは呼んでいません
- 「ドラドキ目玉」でない6Rの57レースは件数が少なく、1号艇の率の95%の幅はおよそ±13ポイントです
- 風速5m以上の冬春の全国との差は、2023〜24年が+1.64(幅−0.02〜3.30)、2025〜26年が+6.24でした。ナイター6場(桐生以外の蒲郡・住之江・丸亀・下関・若松・大村)との差は、冬春が両期間とも多い側、夏が両期間とも少ない側です。冬春と夏の差は、桐生16.45ポイント、全国4.32、ナイター6場5.62でした
- 季節ごとの1号艇は、春49.83%・夏49.57%・秋52.44%・冬50.42%で、どの季節も全国より低い側です
- 風速の平均は、冬と春が2.97m、夏が2.36mでした
- 枠なりで6艇が入ったレースは73.84%(全国80.53%)です
- 公式は、BOATRACE 公式サイトの場の紹介を2026年10月30日に保存した本文と、桐生の公式サイトを2026年11月5日に単発で読んだ内容です。桐生の公式サイトは要約を通して確かめた部分があります。2つの公式の文は同じでした
- 取得は2026年9月28日、ツールのコマンド操作によるものです。取得元は非公式の API と公式の配布ファイルです
- 販売ページの記述は2026年10月29日の保存分によります
- 30日のレース数は全日を起点に30日ずつ数えた中央値で、最小120、最大264でした

