ボートレースで5艇とか6号艇が1号艇の位置に来たりするのってなんでですか?5.6号艇とかが中に入ってくるレースとそうじゃないレースの見分け方とかってあるんですか??
Yahoo!知恵袋に2026年1月に投稿された質問です(質問のページ)。
進入とは、スタートのときに内から1〜6のどのコースにつくかのことです。外の艇が内に入ってくるのは、選手がスタート前の動き(待機行動)の中でコースを自由に選べるからです。今回比べた中(場・年・レースの種類)では、どんなレースで起きやすいかは場の違いがいちばん大きく出ました。
約20万レースを数えると、枠番と違うコースになったレースは、浜名湖で27.40%、びわこで10.49%でした。江戸川は7,655レースで6回だけです。この場の並びは、年が変わってもほとんど同じでした。読み終えると、よく行く場で外の艇が入ってきやすいかの目安と、自分で数え直す式が手に入ります。
この記事では、進入のルールを公式の説明で確かめたうえで、24場の差、前づけした艇の1着の割合、進入固定とドリーム戦の数字を並べます。数えたのは、ZEN AI LAB が作って販売している自社ツールで集めた研究用データベースです。競艇のデータで何が数えられるかの全体は、競艇のデータの見方と集め方にまとめています。
進入は、スタート前の待機行動で選手が取り合って決まる
BOATRACE 公式サイトの BOAT RACE GUIDE では、進入にかかわる言葉が次のように説明されています。
- 待機行動は、ピットを離れてからスタートするまでのことで、コース取りも含まれます。1号艇から順番に入るわけではありません
- 前づけは、外枠の艇が大きく回り込んでほかの艇の前につけ、内側のコースを取ろうとする戦法です
- 枠なり進入は、内から「123456」と枠番どおりに入った状態です。公式ガイドには、前づけする選手がいなければ枠なりになることが多いとあります
- 進入固定競走は、1号艇から6号艇までが枠番どおりに入ることを義務づけられたレースです。出走表などに前もって書かれています
まとめると、進入は「どのコースについたか」という結果で、前づけは「内を取りにいく動き」です。
知恵袋の別の質問には「このコース取りは早い者勝ちなのですか?」というものもありました。公式ガイドの説明は、選手が自由にコースを選べる、までです。ただし、待機中にほかの艇の進行を妨げることなどは違反になります。
全国では、枠番と違うコースになったレースは約5レースに1回でした。この全体の割合と年ごとの数字、スタート展示と本番の違いは、競艇のスタート展示の見方で数えています。この記事は、その違いが「どこで・誰に」起きているかを見ます。
外の艇が内に入るかは、場で大きく違う
6艇とも本番の進入コースが記録された205,080レースを、場ごとに分けました。下の表は、枠番と違うコースになったレースの割合が高い5場と低い5場です。
| 場 | 枠と違うコースになったレース | レース数 |
|---|---|---|
| 浜名湖 | 27.40% | 9,056 |
| 唐津 | 26.91% | 8,490 |
| 常滑 | 26.68% | 9,118 |
| 桐生 | 26.15% | 8,508 |
| 三国 | 26.04% | 8,323 |
| 鳴門 | 15.15% | 8,064 |
| 津 | 15.12% | 8,417 |
| 大村 | 15.06% | 8,942 |
| びわこ | 10.49% | 8,304 |
| 江戸川 | 0.08% | 7,655 |

上位の場では約4レースに1回、びわこでは約10レースに1回です。場ごとの割合の揺れ(95%の幅)は、どの場も±1ポイント以内でした。浜名湖とびわこの差は、偶然の揺れでは説明できない大きさです。
江戸川は、7,655レースのうち枠どおりでなかったのが6レースだけでした。6レースとも、5号艇と6号艇が入れ替わった形です。BOATRACE 公式サイトの江戸川の紹介にも「枠なり進入がほとんど」と書かれています。江戸川のレース名に「進入固定」の表記はありませんでした。
場の並びは、年が変わってもほとんど同じ
年ごとに24場の割合を出して、並び順を比べました。並び順の相関(1に近いほど同じ順番)は、どの2年の組でも0.82〜0.89でした。
| 年 | 割合が高い5場 | 割合が低い5場 |
|---|---|---|
| 2023年 | 唐津・三国・浜名湖・常滑・桐生 | 江戸川・津・びわこ・鳴門・戸田 |
| 2024年 | 浜名湖・常滑・三国・唐津・桐生 | 江戸川・びわこ・鳴門・津・大村 |
| 2025年 | 桐生・常滑・浜名湖・唐津・三国 | 江戸川・びわこ・大村・尼崎・多摩川 |
| 2026年(1〜9月) | 蒲郡・浜名湖・唐津・桐生・常滑 | 江戸川・びわこ・大村・鳴門・平和島 |
2023〜2025年は、割合の高い5場が3年とも同じ顔ぶれでした。2026年は三国が外れ、蒲郡が入っています。低い側は、江戸川とびわこが4年とも入りました。
つまり、「この場は外の艇が内に入ってきやすい」という目安は、年をまたいでも使えます。ただし、どのレースで起きるかまでは、場だけでは分かりません。次の手がかりは、直前のスタート展示の並びです。展示の並びが本番でどれくらいそのままになるかは、競艇のスタート展示の見方で数えています。
内に入った艇の半分以上は6号艇
本番で、自分の枠番より内のコースに入った艇を数えました。ここには前づけした艇が入ります。数えると50,907艇で、そのうち54.74%が6号艇、25.07%が5号艇でした。6号艇が内に入ったレースは13.59%で、約7レースに1回です。
いちばん多い形は、6号艇が5コースに入ったもので、18,472艇でした。このとき6コースには、5号艇などそれより内の枠の艇が回っています。6号艇が前づけしたのか、内の枠の艇が自分から外を選んだのかは、記録からは分けられません。下の数字は、こうした形も含めた「枠より内に入った艇」の数字として読んでください。
1号艇以外で1コースを取った艇は、枠どおりの1号艇より1着が少ない
内に入って取ったコースごとに、1着になった割合を、同じコースを枠どおりで取った艇と並べました。
| 取ったコース | 内に入って取った艇の1着 | 枠どおりの艇の1着 |
|---|---|---|
| 1コース | 47.72%(2,016艇) | 55.07% |
| 2コース | 16.44%(10,303艇) | 13.48% |
| 3コース | 14.52%(7,281艇) | 12.48% |
| 4コース | 11.72%(12,835艇) | 10.30% |
| 5コース | 7.94%(18,472艇) | 5.74% |

1コースだけ、向きが逆でした。1号艇以外の艇が1コースを取ったときの1着は47.72%で、枠どおりの1号艇の55.07%より7ポイント余り低くなっています。2〜5コースでは、内に入って取った艇のほうが、枠どおりの艇より1着が多くなりました。
理由はこの数字からは分かりません。公式ガイドには、前づけで内を取ると助走が短くなり、スタートが難しくなると書かれています。一方で、内に入ってくる選手の腕や、レースの組み合わせはそろえていません。「前づけした艇は1着が多い・少ない」とは言えず、この記事では数字を並べるところまでにします。
進入固定は100%枠どおり、ドリーム戦は約9割が枠どおり
レース名か副題に「進入固定」と書かれたレースは1,180レースで、若松676・大村288・常滑216レースでした。若松の「進入固定戦隊」と、シリーズ全体が進入固定の「オール進入固定」の大会が入っています。
ドリーム戦は、副題に「ドリーム」と書かれた2,397レースを数えました。公式の用語辞典では、SG・プレミアムG1・G1競走などの初日のメインレースで、出走する選手が規定などで決められるレースと説明されています。
| レース | 枠どおりだった割合 | 1号艇の1着 | 6号艇の1着 |
|---|---|---|---|
| 進入固定 | 100%(1,148レース) | 71.12% | 1.03% |
| ドリーム戦 | 89.87%(2,309レース) | 69.45% | 1.48% |
| どちらでもないレース | 80.31%(201,626レース) | 54.32% | 3.09% |

進入固定は、6艇の進入が記録された1,148レースすべてが枠どおりでした。決まりのとおりです。1号艇の1着は71.12%で、同じ3場の進入固定でないレース(58.03%)より高くなりました。ただ、進入固定は3場の特定の大会だけなので、レースの組み方の違いも混ざっています。
知恵袋には「ドリーム戦について 6号艇や5号艇が有利では無いですか?」という質問もありました。数えると、ドリーム戦の6号艇の1着は1.48%、5号艇は4.27%で、どちらでもないレース(6号艇3.09%・5号艇5.83%)より低くなっています。2,397レースの数字で、外の枠が有利という形は見えませんでした。
自分の場や期間で、進入を数え直すには
全国・3年9か月の数字は、よく行く場や今年だけとは違うかもしれません。BoatData Collector Pro の「艇ごとに1行」の CSV を使えば、同じ数え方ができます。Google スプレッドシートでもエクセルでも、同じ式です。
ZEN が書き出した CSV では、J列が枠番(boat_number)、AS列が本番の進入コース(actual_course)、AU列が着順(finish_position)でした。列の位置は書き出し方で変わることがあるので、1行目の列名で確かめてから式を入れてください。
- BoatData で、見たい場と期間を「艇ごとに1行」で CSV に書き出します
- Google スプレッドシートかエクセルで開きます
- 空いているセルに、次の式を入れます(2行目から10000行目までの例)
- 枠番より内のコースに入った艇の数:
=SUMPRODUCT((AS2:AS10000<>"")*(AS2:AS10000<J2:J10000)) - そのうち1着になった艇の数:
=SUMPRODUCT((AS2:AS10000<>"")*(AS2:AS10000<J2:J10000)*(AU2:AU10000=1)) - 1コースを1号艇以外が取った数:
=COUNTIFS(AS2:AS10000,1,J2:J10000,"<>1")
2026年8月24日の1日分(144レース・864行)で、この3つは30艇・4艇・4艇になります。Python で数えた値です。
場ごと・年ごとに何度も数えたくなると、出走表と結果を毎日写す作業のほうが重くなります。集めるところはツールに任せる手もあります。
進入と結果を集めて表にするところを任せるなら
ZEN AI LAB の自社ツール BoatData Collector Pro は、この記事の数字を数えた研究用データベースを作ったツールです。競艇の公開データを、期間と競艇場を選んでまとめて集める Windows 用のツールです。
- 出走表・展示/直前情報・結果・払戻を取得して、SQLite にためます。取得済みのデータは取り直さず、次からは続きから取得します
- Excel・CSV に、「レースごとに1行」「艇ごとに1行」の形で書き出せます
使う前の注意
- 予想・買い目・自動投票の機能はありません。集めて保存し、出力するところまでです
- 公式サイトや BOATRACE とは関係のない、非公式のツールです。データの正確性は保証していません
- 無料版があります。取得できる期間は直近30日までです。製品版は期間を自分で選べます(保存できるのは2016年10月1日以降のレース。2026年11月に実際に取得して確かめた範囲)
くわしくはBoatData Collector Pro 無料版のページと、BoatData Collector Pro のページにあります。
進入が枠どおりになりやすい場の例は、びわこ競艇の特徴で季節の差とあわせて見ています。
競艇のデータを、何か月分も自分で集めて数えるなら

BoatData Collector Pro は、競艇の公開データを期間と競艇場を選んで集め、Excel・CSV に書き出す自社ツールです。予想や買い目は出しません。保存できるのは2016年10月1日以降のレースです。
- BoatData Collector Pro:6,000円(買い切り・note。ココナラでも6,000円)
- 分析版 BOAT DATA PRO:10,000円(ココナラ)。集めたデータを進入コース別・選手別などに集計する画面つき
- 無料版:直近30日まで(LINEで受け取り)
価格は2026年11月7日の表示です。変わることがあるので、買う前に各ページで確かめてください。Windows 11(64bit)用です。
確かめたことと、データでは分からないこと
数字はすべて、研究用データベース(2023年1月1日〜2026年9月27日)を読み取り専用で開き、計算の前に書いた計画どおりに数えました。進入のルールは2026年11月6日に公式の BOAT RACE GUIDE を開いて読みました。
このデータでは分からないことは、次のとおりです。
- 内に入った艇の1着が、選手の力やレースの組み合わせをそろえても同じ向きになるか。前づけした艇の成績は、ZEN AI LAB の競艇研究(ZEN BOAT LAB)の有料の研究テーマのため、ST や級別との関係は出していません
- 江戸川がほとんど枠どおりになる理由(決まりなのか、選手の判断なのか)(まだ確かめられていません)
- 進入固定のレースが行われる目的。公式の用語辞典には書かれていませんでした
- 3つの式の、Google スプレッドシートとエクセル本体での動き。Python で数えた値だけを確かめています(まだ確かめられていません)
数字はどれも過去のレースを数えたものです。この先のレースで、どの艇が内に入るかや、結果を約束するものではありません。
まとめ
外の艇が内に入ってくるかを見分けるなら、次の順に見ます。
- まず場を見る。上の24場の図で、よく行く場が上のほうか下のほうかを確かめる。進入固定のレースなら、入れ替わりは起きない
- 次にスタート展示の並びを見る
- よく行く場だけの数字が欲しくなったら、無料版で直近30日を書き出して、上の式で数える
LAB 記録(読み飛ばしてかまいません)
- 「約20万レース」は、6艇とも本番の進入コースが1〜6でそろった205,080レースです(全210,600レース)。欠場の艇がいるレースは入っていません
- 「枠と違うコースになったレース」は、6艇のうち1艇でも枠番と本番のコースが違ったレースです。全体では39,937レース(19.47%)でした
- 95%の幅は、場ごとに ±1.96×√(p(1−p)/n) で出しました(0.06〜0.94ポイント)
- 並び順の相関はスピアマンの順位相関です。2023-2024年0.894・2023-2025年0.870・2023-2026年0.828・2024-2025年0.867・2024-2026年0.819・2025-2026年0.873でした(2026年は1〜9月)
- 「枠より内のコースに入った艇」は、本番のコースが枠番より小さい艇です。枠番 b の艇が b より内に入ると、1〜b−1号艇のだれかは必ず b 以上のコースに出るので、「内の枠の艇を外へ押し出した艇」と同じ数になります(計画の追記2)
- 内に入った艇の枠番の内訳は、2号艇2.16%・3号艇7.08%・4号艇10.96%・5号艇25.07%・6号艇54.74%です
- 1着の割合の比べは、どちらも6艇の進入がそろったレースの中の数字です。枠どおりの1コースは203,064艇です
- 進入固定は、レース名か副題に「進入固定」を含むレースです。進入がそろわなかった32レースは、枠どおりの割合の分母から外しました。1号艇の1着の分母は、1着の艇がいた1,160レースです。同じ3場の進入固定でないレースは25,833レース(1着の艇がいたレース)でした
- ドリーム戦は、副題に「ドリーム」を含むレースです。大会名の「ドリーム杯」「ドリームナイター」は入れていません。「予選ドリーム戦」は入っています
- 江戸川の公式の紹介は、2026年11月5日に別の記事の作業で、BOATRACE 公式サイトの場のページを開いて読んだものです
- 数え直す式の確かめは、2026年8月24日の1日分の艇ごとの CSV(研究用データベースから BoatData のコマンドで書き出したもの・競艇の出走表の見方の作業で作成)で行いました
- 販売ページ2つは、2026年10月29日に開いて読みました

