6号艇が勝つのはハプニング以外でどんな場合でしょうか?
Yahoo!知恵袋に2020年9月に投稿された質問です(質問のページ)。
6コースの1着のうち、記録に残る事故(ほかの艇のフライング・転覆・失格など)がなかったのは90.69%でした。いちばん多かった形は、6コースの艇がスタートで1位になったときで、48.84%です。約20万レースで、本番でいちばん外(6コース)の艇が1着になった3,921回を集めて分けました。
起きやすさは場で約3倍違い、平和島は3.16%、福岡は1.01%でした。風が強いほど少し増えます。読み終えると、6号艇の1着がどんな形で起きるかと、場・風の目安が分かり、自分の場で数え直す式も手に入ります。
数えたのは、ZEN AI LAB が作って販売している自社ツールで集めた研究用データベースです。競艇のデータで何が数えられるかの全体は、競艇のデータの見方と集め方にまとめています。
約9割は、記録に残る事故なしで起きている
6コースの艇がいた205,050レースのうち、6コースの1着は3,921回でした。同じレースのほかの艇に、フライング・出遅れ・転覆・落水・失格・エンスト・不完走の記録があったかを見ました。あったのは365回(9.31%)で、なかったのが90.69%です。
ほかの艇の事故がからむ割合は、6コースの艇がいたレース全体(4.91%)の約2倍でした。
ただし、数えられるのは記録に印が付く出来事だけです。1コースの艇のターンの失敗や接触のように、印が付かない出来事は数えられません。この約9割は、「記録に残る事故がなかった」1着です。
先頭の艇が事故などで脱落して1着になる決まり手「恵まれ」は、130回(3.32%)でした。
6号艇は出走表の枠番、6コースは本番でスタートについたいちばん外の位置で、少し違います。この記事では本番の6コースの1着を数えました。その84.80%は6号艇で、残りは5号艇379回・4号艇161回などです。6コースの1着の全体の割合とコースごとの決まり手は競艇の決まり手の割合、10年分の枠番ごとの1着は競艇24場の枠番別・コース別1着率にあります。
そのとき1コースの艇は、4〜6着が4割。1コースが負けたレース全体とほぼ同じ
6コースが1着のとき、1コースの艇が何着だったかを数えました。
| 1コースの艇 | 回数 | 割合 |
|---|---|---|
| 2着 | 1,276 | 32.54% |
| 3着 | 920 | 23.46% |
| 4〜6着 | 1,580 | 40.30% |
| フライング・失格など | 145 | 3.70% |
1コースの艇が1着でなかったレース全体では、1コースの艇の4〜6着は39.98%でした。6コースが1着のときの40.30%とほぼ同じです。1コースが負けたレースとして、6コースが勝つときに特に崩れ方が大きいわけではありませんでした。
いちばん多いのは、6コースの艇がスタートで1位のとき
6コースの1着3,921回で、6コースの艇がそのレースで何番目に早くスタートしたか(ST の順位)を見ました。フライング・出遅れ・欠場の艇は除き、同じ ST の艇は同じ順位にしています。

スタート1位が48.84%で、約半分でした。2位は18.46%、3位は12.01%です。6コースの艇がいたレース全体では、6コースの艇がスタート1位になったのは15.10%なので、1着のときはその約3.2倍の割合でスタート1位になっていました。
スタートの順位はレースが終わってから分かる数字です。買う前に、6コースの艇がスタート1位になるかは分かりません。ここから言えるのは、「6号艇の1着は、多くがスタートで前に出た形だった」というところまでです。
公式ガイドでは、おおむね4〜6コースは助走をとるダッシュスタートが多いとされています。スタートの物差しは競艇のスタート展示の見方にまとめています。
場で約3倍違う。平和島3.16%、福岡1.01%
6コースの艇がいたレースを、場ごとに分けました。

いちばん高い平和島は3.16%、いちばん低い福岡は1.01%で、約3.1倍の差です。場ごとの揺れの幅(95%)は±0.2〜0.4ポイントで、上位3場(平和島・戸田・江戸川)と下位3場(福岡・徳山・大村)の差は、偶然の揺れより大きい差でした。
高い場でも、6コースの1着は約30レースに1回です。低い場では約100レースに1回になります。
風が強いほど少し増え、決まり手が差し寄りになる
直前情報の風速ごとに、6コースの1着の割合を数えました。
| 直前の風速 | 6コースの1着 | レースの割合 |
|---|---|---|
| 0〜2m | 1.76% | 48.75% |
| 3〜4m | 1.97% | 35.54% |
| 5〜6m | 2.20% | 11.95% |
| 7m以上 | 2.37% | 3.77% |
風速0〜2mの1.76%から、7m以上の2.37%まで、風が強いほど増えました。ただ、7m以上のレースは全体の3.77%しかありません。
風の強いレースが特定の場に多いだけでも、同じ形は出ます。そこで場ごとに、風速5m以上と4m以下で6コースの1着を比べました。5m以上のほうが高かったのは24場のうち18場で、場の中での差の平均は+0.29ポイントです。全国をまとめた差(+0.39ポイント)より小さくなりますが、向きは残りました。場の差(約3倍)に比べると、風の差は小さめです。

決まり手の内訳も、風で変わりました。まくり差しは0〜2mの43.81%から7m以上の33.88%に減り、差しは12.54%から19.13%に増えています。7m以上では、まくり差しとまくり(31.15%)がほぼ並びました。決まり手の意味は、競艇の決まり手の割合で公式の説明を確かめています。風と1号艇の関係は、風速で競艇はどう変わる?にあります。
自分の場や期間で、6コースの1着を数え直すには
全国・3年9か月の数字は、よく行く場や今年だけとは違うかもしれません。BoatData Collector Pro の「艇ごとに1行」の CSV を使えば、同じ数え方ができます。
ZEN が書き出した CSV の列は、次のとおりでした。列の位置は書き出し方で変わることがあるので、1行目の列名で確かめてから式を入れてください。
- AS列: 本番の進入コース(actual_course)
- AU列: 着順(finish_position)
- AW列: 決まり手(winning_technique)
- BoatData で、見たい場と期間を「艇ごとに1行」で CSV に書き出します
- Google スプレッドシートかエクセルで開きます
- 空いているセルに、次の式を入れます(2行目から10000行目までの例)
- 6コースの艇の数(ほぼレースの数):
=COUNTIFS(AS2:AS10000,6) - そのうち1着の数:
=COUNTIFS(AS2:AS10000,6,AU2:AU10000,1) - 6コースのまくり差しの1着の数:
=COUNTIFS(AS2:AS10000,6,AU2:AU10000,1,AW2:AW10000,"まくり差し")
2026年8月24日の1日分(144レース・864行)では、144艇・3回・0回になります。Python で数えた値です。
件数の目安も書いておきます。30日分を全国で集めると約4,500レースで、6コースの1着は約86回です。1つの場だけだと、平和島でも30日で約175レース・6コースの1着は5〜6回しかありません。場どうしを比べるなら、何年分かが要ります。
何年分も集めようとすると、出走表と結果を毎日写す作業のほうが重くなります。集めるところはツールに任せる手もあります。
出走表と結果を集めて表にするところを任せるなら
ZEN AI LAB の自社ツール BoatData Collector Pro は、この記事の数字を数えた研究用データベースを作ったツールです。競艇の公開データを、期間と競艇場を選んでまとめて集める Windows 用のツールです。
- 出走表・展示/直前情報・結果・払戻を取得して、SQLite にためます。取得済みのデータは取り直さず、次からは続きから取得します
- Excel・CSV に、「レースごとに1行」「艇ごとに1行」の形で書き出せます
使う前の注意
- 予想・買い目・自動投票の機能はありません。集めて保存し、出力するところまでです
- 公式サイトや BOATRACE とは関係のない、非公式のツールです。データの正確性は保証していません
- 無料版があります。取得できる期間は直近30日までです。製品版は期間を自分で選べます(保存できるのは2016年10月1日以降のレース。2026年11月に実際に取得して確かめた範囲)
くわしくはBoatData Collector Pro 無料版のページと、BoatData Collector Pro のページにあります。
大外の1着が多い場の詳しい形は、平和島競艇の特徴で差しとあわせて数えています。
大外に入る選手に新人が多い理由は、競艇の新人はいつまで6コース?でデビューからの月数で見ています。
競艇のデータを、何か月分も自分で集めて数えるなら

BoatData Collector Pro は、競艇の公開データを期間と競艇場を選んで集め、Excel・CSV に書き出す自社ツールです。予想や買い目は出しません。保存できるのは2016年10月1日以降のレースです。
- BoatData Collector Pro:6,000円(買い切り・note。ココナラでも6,000円)
- 分析版 BOAT DATA PRO:10,000円(ココナラ)。集めたデータを進入コース別・選手別などに集計する画面つき
- 無料版:直近30日まで(LINEで受け取り)
価格は2026年11月7日の表示です。変わることがあるので、買う前に各ページで確かめてください。Windows 11(64bit)用です。
確かめたことと、データでは分からないこと
数字はすべて、研究用データベース(2023年1月1日〜2026年9月27日)を読み取り専用で開き、計算の前に書いた計画どおりに数えました。
このデータでは分からないことは、次のとおりです。
- 6コースの艇の選手の力(級別・勝率)やモーター。そろえずに数えています
- 場の差の理由(水面の形・風・潮など)。水面の形は記録に列が無いのでデータでは確かめられず、風と潮はまだ確かめられていません
- 風向き(向かい風・追い風)による違い。記録の番号の意味が確かめられないため、数えていません
- 3つの式の、Google スプレッドシートとエクセル本体での動き。Python で数えた値だけを確かめています(まだ確かめられていません)
数字はどれも過去のレースを数えたものです。この先のレースで6号艇が1着になるかや、結果を約束するものではありません。
まとめ
6号艇の1着を見るときは、次の順に考えます。
- 約9割は記録に残る事故なしで、約半分は6コースの艇がスタートで1位だった
- 場の差がいちばん大きい。平和島・戸田・江戸川は高く、福岡・徳山・大村は低い。風は強いほど少し増える程度
- 自分で確かめるなら、無料版で直近30日の全国を書き出して、上の式で数える(約86回)。場ごとに比べるなら何年分か集める
LAB 記録(読み飛ばしてかまいません)
- 「約20万レース」は、本番で6コースの艇がいて、1着の艇がいた205,050レースです(全210,600レース)
- 「ほかの艇の事故」に出遅れが入っていなかったので、Critic の指摘を受けて足して数え直しました(362回・9.23%→365回・9.31%)
- 6コースの1着の枠番の内訳は、6号艇3,325回・5号艇379回・4号艇161回・3号艇26回・2号艇22回・1号艇8回です
- 「ほかの艇の事故」は、6コース以外の艇に、フライング・出遅れ・転覆・落水・失格・エンスト・不完走の印があったレースです。欠場は入れていません
- 1コースの艇の「フライング・失格など」の内訳は、フライング欠場69回・転覆失格41回・妨害失格14回・落水失格10回・エンスト失格6回・不完走失格4回・出遅れ欠場1回です
- ST の順位は、フライング・出遅れ・欠場の艇を除いた中の順位です。6コースが1着のとき、4位は9.49%・5位は7.22%・6位は3.98%でした
- 場ごとの95%の幅は ±1.96×√(p(1−p)/n) で、0.21〜0.38ポイントでした。年ごとの6コースの1着は、2023年1.81%・2024年1.91%・2025年2.00%・2026年(1〜9月)1.93%でした
- 風速は、直前情報(展示のとき)の値です。風速が空のレースはありませんでした。区切りは風速で競艇はどう変わる?と同じです
- 場の中の風の比べは、場ごとに「5m以上の割合−4m以下の割合」を出し、5m以上のレース数で重みを付けて平均しました。全国の5m以上は2.24%、4m以下は1.85%です
- 1コースの艇の4〜6着の物差し(39.98%)は、6コースの艇がいて1着の艇がいたレースのうち、1コースの艇に1着以外の着がついた89,846レースの値です。はじめは1コースが1着のレースも分母に入れた17.73%と比べていましたが、6コースが1着のレースでは1コースは必ず1着でないため、Critic の指摘で分母を直しました。6コースが1着のときも、1コースの艇に着がついた3,776回だけで数えると41.84%で、やはり近い値です
- 30日の目安は、1,366日分のレース数を30日に直したものです
- 決まり手の割合は、6コースが1着になったレースの中の割合です。7m以上は183回(差し35回)なので、揺れは大きめです。抜きは0〜2mで12.66%、7m以上で13.66%、恵まれは3.58%と2.19%でした
- ダッシュスタートの説明は、2026年10月31日に公式の BOAT RACE GUIDE を開いて読んだもの(競艇の用語集の作業)です
- 数え直す式の確かめは、2026年8月24日の1日分の艇ごとの CSV(研究用データベースから BoatData のコマンドで書き出したもの・競艇の出走表の見方の作業で作成)で行いました
- 販売ページ2つは、2026年10月29日に開いて読みました

