「ボートレースの重賞レースについて教えてください。 競馬の重賞とは違うのでしょうか?」。Yahoo!知恵袋に2025年に出た質問です。予定表を見てもよく分からない、と続きます(質問ページ)。
競艇のレースはSG・G1・G2・G3・一般戦の5つのグレード(格付け)に分かれ、違いは出られる選手と賞金です。SGは年8節(節=同じ場で続けて開かれる数日間の開催)だけの最上位です。G1は、原則として上位の級(A1級などの選手の格付け)の選手が出るレースです。
約21万レースを数えると、85.04%は一般戦でした。SGは全体の0.99%です。開かれているレースのほとんどは、一般戦ということになります。
読み終えると、5つのグレードの違いと、それぞれが年にどれくらい開かれているかが分かります。数えたのは、ZEN AI LAB が作って販売している自社ツールで集めた研究用データベースです。競艇のデータで何が数えられるかの全体は、競艇のデータの見方と集め方にまとめています。
グレードは5つ。違うのは出られる選手と賞金
BOATRACE 公式サイトのガイドと用語辞典で、5つのグレードの説明を確かめました(2026年11月7日)。
| グレード | 公式の説明(要点) |
|---|---|
| SG | 最上位。8つのレース。厳しい条件をクリアした選手だけが走る |
| G1 | SGの次。原則として上位の級の選手が出る |
| G2 | G1に準ずるレース。秩父宮妃記念杯・モーターボート大賞など |
| G3 | 一般戦より優勝賞金が高い。企業杯・オールレディースなど |
| 一般戦 | 365日毎日、全国どこかで開かれている |
用語辞典の「レースのランク」には、G2以上のレースには出場のための条件があり、格が上ほど賞金も高くなる、と書かれています。
G1の出場の書き方は、ページによって少し違いました。ガイドは「原則としてA1級レーサーが出場でき」、用語辞典は「原則としてA級レーサーだけが出場できる」です。どちらも2025年4月1日時点の表記です。

「重賞」と「一般競走」の言葉
今回読んだ公式のガイドと用語辞典では、格付けは「グレード」と書かれていました。冒頭の質問の「重賞」は、SGからG3までをまとめて呼ぶときに使われることが多い言葉です。ただ、今回読んだ公式のページには、重賞の定義は見つかりませんでした。
まぎらわしいのが「一般競走」です。用語辞典では、準優勝戦の日や優勝戦の日の賞典レース(準優勝戦・選抜戦・優勝戦)以外のレースを指します。グレードの「一般戦」とは別の意味です。G1の節の中にも、一般競走はあります。
SGは8つ。どれも6日間で、決まった月に始まる
用語辞典に載っているSGは、次の8つです。
- ボートレースクラシック
- ボートレースオールスター
- グランドチャンピオン
- オーシャンカップ
- ボートレースメモリアル
- ボートレースダービー
- チャレンジカップ
- グランプリ
ガイドには、3月のクラシックに始まり、年末のグランプリまでが1年のシリーズだと書かれています。グランプリに出られるのは、11月のチャレンジカップが終わった時点で獲得賞金が18位までの選手です。
データベースで2023〜2025年のSGの節を数えると、毎年ちょうど8節でした。24節すべてが6日間です。節が始まった月で数えると3・5・6・7・8・10・11・12月で、3年とも同じ月でした。1・2・4・9月に始まるSGはありませんでした(2024年のメモリアルは8月27日〜9月1日で、最終日が9月です)。
冒頭の質問の「期間でやるのか」には、こう答えられます。グレードのレースは、1つの場で数日間続く節として開かれます。多くの節では、予選・準優勝戦・優勝戦と進みます。データベース全体で、SGとG2の節はすべて6日間で、G1も141節のうち127節が6日間でした。

開催場は毎年変わります。3年の24節は、24場のうち16場で開かれていました。グランプリは3年とも住之江でした。
約21万レースの85.04%は一般戦
2023年1月〜2026年9月の210,600レースを、グレードごとに数えました。

1年に開かれる節の数(2023〜2025年)は、次のとおりでした。
| グレード | 1年の節の数 |
|---|---|
| SG | 8 |
| G1 | 37〜38 |
| G2 | 9〜10 |
| G3 | 58〜62 |
| 一般戦 | 729〜740 |
日付で見ると、どこかの場でSGが開かれている日は、全体の12.74%でした。G1は46.63%の日にどこかで開かれています。
このデータベースでは、1つの場の1日には1つのグレードだけが入っていました。ただし、チャレンジカップの節で同時に開かれるG2レディースチャレンジカップと、グランプリの節のグランプリシリーズは、データベースではSGとして入っています。そのため、表のG2の節の数にレディースチャレンジカップは入っておらず、SGの0.99%にはこれらのレースも含まれます。
グレードで変わる、出走表とレースの見え方
グレードは、出走表や投票の画面にも関わります。
- 勝率の点: 公式ガイドでは、勝率を出すときの着順の点が、SGは各2点増し、G1・G2は各1点増しです。優勝戦はさらに1点増しです
- 前日発売: テレボートの説明では、前の日から舟券を買える「前日発売」があるのは、SG・プレミアムG1と一部のG2などです
- 得点率: 公式サイトの得点率の一覧は、SG・G1・G2だけで表示されます
勝率の点の増し方は、出走表の勝率の読み方にも関わります。出走表の項目の意味は競艇の出走表の見方にまとめています。
グレードを分けて自分で数えたいなら
この記事の数字は、研究用データベースのグレードの列で数えました。グレードは開催ごとに決まるので、「G1の節だけ」「一般戦だけ」と分けて数えるには、何年分ものレースにグレードがついた表が要ります。予定表を見ながら手で付けるのは、量が多い作業です。
ZEN AI LAB の自社ツール BoatData Collector Pro は、この記事の数字を数えた研究用データベースを作ったツールです。期間と競艇場を選んで、競艇の公開データをまとめて集める Windows 用のツールです。
- 出走表・展示/直前情報・結果・払戻を取得し、SQLite にためます。取得済みのデータは取り直さず、次は続きから取得します
- Excel・CSV に書き出せます
使う前の注意
- 予想・買い目・自動投票の機能はありません。集めて保存し、出力するまでです
- 公式サイトや BOATRACE とは関係のない、非公式のツールです。データの正確性は保証していません
- 無料版があります。取得できる期間は直近30日までです。製品版は期間を自分で選べます(保存できるのは2016年10月1日以降のレース。2026年11月に実際に取得して確かめた範囲)
くわしくはBoatData Collector Pro 無料版のページと、BoatData Collector Pro のページにあります。
グレードごとの賞金が選手の収入にどうつながるかは、ボートレーサーの平均年収で公式の発表から見ています。
競艇のデータを、何か月分も自分で集めて数えるなら

BoatData Collector Pro は、競艇の公開データを期間と競艇場を選んで集め、Excel・CSV に書き出す自社ツールです。予想や買い目は出しません。保存できるのは2016年10月1日以降のレースです。
- BoatData Collector Pro:6,000円(買い切り・note。ココナラでも6,000円)
- 分析版 BOAT DATA PRO:10,000円(ココナラ)。集めたデータを進入コース別・選手別などに集計する画面つき
- 無料版:直近30日まで(LINEで受け取り)
価格は2026年11月7日の表示です。変わることがあるので、買う前に各ページで確かめてください。Windows 11(64bit)用です。
確かめたことと、データでは分からないこと
グレードの説明は、2026年11月7日に公式のガイド・FAQ・用語辞典を1ページずつ開いて読みました。数字は研究用データベース(2023年1月1日〜2026年9月27日)を読み取り専用で開いて数えています。
外から分からないのは、SGごとの出場選手の選び方の細かい決まりです。公式のガイドには概要しか書かれておらず、選考の基準の全文は今回の範囲では読んでいません。
グレードごとの着順・1号艇の強さ・配当は、この記事では数えていません。1号艇の数字は、レースの種類(予選・準優勝戦・優勝戦)ごとに競艇の1号艇の勝率で数えています。開催の数は過去の集計で、この先の日程を約束するものではありません。
まとめ
- グレードはSG・G1・G2・G3・一般戦の5つで、違いは出られる選手と賞金です
- SGは8つで年8節、どれも6日間でした。約21万レースの85.04%は一般戦です
次にやることは2つです。
- 予定表でグレードを見て、その節がSG・G1なのか一般戦なのかを先に確かめる
- 出走表の勝率を見るときは、SG・G1・G2で点が増えることを頭に入れておく
LAB 記録(読み飛ばしてかまいません)
- 読んだのは races の日付・場・レース番号・開催の名前・グレードの列だけです。着順・払戻の表は読んでいません
- グレードが空(UNKNOWN)のレースが348ありました(2024年288・2026年60)。割合の分母には含めています
- 1日の1つの場でグレードが混ざる日は0日でした(17,550場日)。チャレンジカップと同じ節のG2レディースチャレンジカップ、グランプリと同じ節のグランプリシリーズも、データベースではSGとして入っています
- 節は、同じ場で日付の間が3日以内かつ開催の名前が同じ日をまとめて作りました。節のグレードは、その節で一番多いグレードです
- 1年の節の数は、節が始まった日の年で数えました。2026年は9月27日までなので表に入れていません
- 日付ごとの割合は、データベースにある1,366日が分母です
- 悩みの原文は、2026年11月7日に質問ページを開いて文面を照合しました
- 販売ページ2つは、2026年10月29日に開いて読みました

