児島の出走表を開くと、その日の満潮と干潮の時刻まで気になってきます。Yahoo!知恵袋にも「干潮と満潮では、どっちがインが有利ですか?」という質問がありました。潮は手元の記録に列がなく数えられませんが、ほかを数えると、児島はまくりが24場で4番目に少ない場でした。
まくりの1着は12.42%で、全国の15.54%を下回ります。その分多いのが差しと、まくり差し(外を回りながら内側の艇の間を抜ける形)で、合わせると27.02%、24場の5番目です。1号艇の1着率は55.39%で、全国の54.59%とほぼ同じでした。
ほかに、強い風の少なさと、1Rの副題で1号艇の率が約22ポイント変わることも数字で示します。最後に、潮の時刻を自分で列に足して確かめる手順を書きます。
数えたのは2023年1月〜2026年9月の児島8,628レースで、中止の12レースは除いています。記録は ZEN AI LAB が作って販売しているツールで集めました。舟券の買い目は出しません。場の傾向を数で確かめる記事です。データの見方の全体像は競艇のデータの見方と集め方にまとめています。
1号艇は全国並み、強い風は少ない。公式の説明と数字を並べる
児島についてよく聞くのは、潮で流れが変わる、インが強い、風が穏やか、の3つです。ボートレース児島の公式サイトも、冬以外は穏やかな風の日が多く、基本的にはインが強い水面だと説明しています。満潮時は追い風が重なると1マークで波乱が起きやすく、干潮時はまくりが決まりやすい、という説明もあります。
BOATRACE 公式サイトの児島の紹介は、潮と風について次のように書いています。
満潮時と干潮時でレースの流れが変わる。追い風の満潮時は差しが決まり高配当になる。
瀬戸内に面して潮位差は大きいが、風の影響は少ないので、穏やかな水面でのレースが多い。
これらを、手元の列で数えられるものに当てた結果が次の表です。
| 公式の説明 | 数えたこと | 結果 |
|---|---|---|
| 満潮・干潮で流れが変わる | (潮位の列が無い) | 数えられない |
| 基本的にはインが強い | 1号艇の1着 | 55.39%(全国54.59%)。差は見えない |
| 追い風の満潮時は差し | 差しの1着 | 13.61%(全国12.60%)。潮と向きは分けていない |
| 風の影響は少ない | 風速5m以上の割合 | 9.70%(全国15.83%)。確かめられた |
1号艇の差は+0.80ポイントで、偶然の上下を見込んだ95%の幅は−0.27〜+1.87でした。幅が0をまたぐので、全国より強いとは言えません。24場の中では14番目です。年ごとに見ても、2023年54.67%、2024年55.79%、2025年57.06%、2026年54.17%で、全国の54〜55%前後と大きくは離れません。
まくりは24場で4番目に少ない。代わりに差しとまくり差し

児島で目立ったのは、1号艇ではなく決まり手の偏りでした。まくりの1着は12.42%で、全国の15.54%より3.12ポイント少なくなります。幅は−3.83〜−2.40で、0をまたぎません。24場で並べると、徳山・大村・津に次いで少ない側の4番目です。
年ごとでは2023年12.67%、2024年11.84%、2025年11.91%、2026年13.30%と、4年とも全国より2.41〜4.03ポイント低い値でした。2コース・3コース・4コースのどこからのまくりも、全国より少なめです。
その分が回っている先は、差しとまくり差しです。まくり差しは13.41%(全国11.86%)で24場の5番目、差しは13.61%(全国12.60%)でした。2つを合わせると27.02%で、全国の24.46%より2.56ポイント多くなります。前半の2023〜24年も、後半の2025〜26年も、同じ向きでした。
外から握って回るより、内側の艇の間を突く形の1着が多い場です。決まり手それぞれの意味は競艇の決まり手にあります。
風が弱いレースほど、まくりより差し
まくりの少なさがどんな日に出ているのかを、本番の風速で分けて見ました。
| 風速 | 児島のまくり | 全国のまくり | 児島の差し | 全国の差し |
|---|---|---|---|---|
| 0〜1m | 8.85% | 13.80% | 16.10% | 11.82% |
| 2〜3m | 12.20% | 15.31% | 13.29% | 12.33% |
| 4〜5m | 15.93% | 17.01% | 11.58% | 13.11% |
差が一番大きいのは、風が0〜1mのレースです。全国では風が弱くてもまくりが13.80%ありますが、児島は8.85%しかありません。逆に差しは16.10%で、全国より4.28ポイント多くなりました。この2つは、前半・後半のどちらでも同じ向きです。
4〜5mの風になると、児島のまくりは15.93%まで増え、全国との差は0をまたぎます。代わりに増えるのはまくり差しで、15.83%(全国12.28%)でした。6m以上のレースは3年9か月で302だけなので、表には入れていません。
児島の公式サイトは、干潮時の静かな水面ではまくりが決まりやすいと説明しています。今回の「風が弱い」は風速の記録で、潮の満ち引きとは別のものです。風の弱いレースに満潮・干潮がどう混ざっているかは分からないので、この結果で公式の説明が違うとは言えません。
出走表の横で使うなら、本番の風が0〜1mの児島では、全国の感覚よりまくりの1着が少なく、差しの1着が多い、と置き直すのが今回の数字に沿った読み方です。
5m以上の強い風は全国の6割ほど。夏はとくに少ない

「風の影響は少ない」は、強い風の少なさとして確かめられました。風速5m以上だったレースは9.70%で、全国の15.83%の6割ほどです。24場では住之江・福岡・蒲郡・宮島・多摩川に次ぐ6番目の少なさでした。
月ごとに見ると、児島は12か月とも全国より低い値です。いちばん少ないのは6月の3.83%と7月の4.22%で、夏(6〜8月)をまとめると5.08%、全国の13.70%の4割にも届きません。強めの風が増えるのは冬から春先で、1〜3月は15%台になります。児島の公式サイトが、冬以外は穏やかな風が多いと説明しているのと同じ形です。
ただし、風速の平均は2.72mで、全国の2.80mとほとんど変わりません。2〜3mの風が吹いていたレースが56.32%と多く、「無風の日が多い」わけではありません。言えるのは、強い風の日が少ないところまでです。
波の記録は使っていません。児島では46.44%のレースで、波高(cm)と風速(m)がまったく同じ数字でした。半分近くが風速を写した値と区別できないので、「穏やかな水面」を波の数字で確かめることはしていません。風と1号艇の関係を24場で並べた話は風速で競艇はどう変わる?にあります。
1号艇は全国並み。高いのは1Rと6R

全体では全国並みの1号艇ですが、レース番号で分けると、全国と大きく違う番号が2つありました。
1Rは67.73%で、全国の58.28%より9.45ポイント高くなります。6Rは57.86%で、全国の47.93%より9.93ポイント高い値です。どちらも4年とも全国を上回っていました。
1Rの63.42%には「朝得ガァ〜コ戦」という副題が付いていて、そのレースの1号艇は75.66%でした。それ以外の1R(副題が「予選」「一般」)は53.99%で、約22ポイントの差があります。6Rは55.35%に「昼得クラリス戦」という副題があり、1号艇は60.80%でした。ただ6Rは、それ以外のレースでも54.21%と全国より高く、副題だけでは説明しきれません。児島の公式サイトの企画レースのページ(2026年11月6日に閲覧)では、1Rのこの番組は、1号艇にA級(またはA級相当)の選手、ほかの艇にB級の選手を入れる番組です。6Rの「昼得クラリス戦」は、公式のお知らせ(2026年8月1日掲載)によると2026年4月以降の変更で9Rに移り、データでも6Rのこの名前は2026年4月9日が最後でした。6Rだった頃の組み方の説明は、公式サイトに残っていませんでした。
逆に2〜4Rは43.67%で、全国の46.81%より低めです。1Rと6Rを除くと、児島の1号艇は53.91%で、全国の54.89%と差があるとは言えませんでした。「インが強い場」と聞いて全部のレースで1号艇を重く見ると、1Rと6R以外では全国並みの数字になります。レース番号ごとの全国の数字は競艇の1号艇の勝率にあります。
季節では、秋(9〜11月)の1号艇が49.82%で、全国の54.81%より低めでした。秋の開催は少なく、レースは1,128だけです。理由は確かめていません。
時間帯は、児島はナイターのない昼の開催で、12Rの締切は16時台から17時台でした。時間帯の違いは、ほぼレース番号の違いと同じなので、ここではレース番号で見ています。
潮の列を足して、自分で確かめる
満潮と干潮で本当に変わるのかは、データに1列足せば確かめられます。ボートレース児島の公式サイトには「潮汐表」のページがあります。
- 児島の艇ごとの CSV を用意する(1行が1艇。J列が枠番、H列が締切時刻、AU列が着順、AW列が決まり手)
- 日ごとの満潮と干潮の時刻を写し、締切が満潮の前後1時間なら「満潮」、干潮の前後1時間なら「干潮」と、空いている列(ここでは AZ列)に入れる。1時間は一例で、数える前に決めておく
- 「満潮」「干潮」ごとに、差しとまくりの割合を出す
- 風速の列(AQ列)が0〜1mの行だけでも同じことをして、風の弱さと潮が混ざっていないかを見る
1号艇の行で数えると、1レースを1回だけ数えられます。満潮のときの差しの割合なら、式は次のとおりです。決まり手が空の行(中止のレース)は数えません。
=COUNTIFS(J:J,1,AZ:AZ,"満潮",AW:AW,"差し")/COUNTIFS(J:J,1,AZ:AZ,"満潮",AW:AW,"<>")
潮の列を入れずに「まくり」で数えれば、手元のデータでは8,628レースのうち1,072レースがまくりで、12.42%になります。式の考え方は競艇のデータ分析をエクセルでする方法に詳しく書いています。
困るのは、潮の時刻を日ごとに写す作業と、レースの数です。児島は30日分で中央値216レースで、50%前後の率なら上下およそ6.6ポイントぶれます。満潮・干潮で分けるとさらに少なくなるので、何年分も必要です。
その数年分の記録をためるには、どの日も締切時刻・決まり手・風速を残しておくしかありません。コースと着順を6艇分、決まり手・風速・締切時刻を足すと1レース15マスで、児島の8,640レースなら129,600マスになります。この記録の部分は、次の自社ツールで手を減らせます。
児島のデータを何年分も手元に置くには
BoatData Collector Pro は ZEN AI LAB の自社ツールで、この記事の数字もこれで集めたデータから出しています。今回は販売版の画面ではなく、同じプログラムのコマンド操作で取りました。
- 期間と場を選ぶと、出走表・展示/直前情報・結果・払戻などの公開データを取得します
- 取得したデータは保存され、次からは新しい分だけを取り直します。中断した取得も続きから再開できます
- レースごと、または艇ごとに1行の形で Excel・CSV に書き出せます
潮位は取得する項目に入っていないので、潮の列は自分で足す必要があります。予想・買い目・自動投票の機能は、どちらの版にもありません。BOATRACE や公式サイトとは無関係の非公式のツールで、データの正確性は保証していません。
児島の決まり手や締切時刻を年単位で集めたいなら、BoatData Collector Pro のページをご覧ください。無料版は直近30日までの取得で、LINE 公式アカウントの友だち追加のあとに受け取れます。説明は無料版のページにあります。
瀬戸内の対岸の場と比べるなら、丸亀競艇の特徴で冬のまくりの増え方を見ています。
競艇のデータを、何か月分も自分で集めて数えるなら

BoatData Collector Pro は、競艇の公開データを期間と競艇場を選んで集め、Excel・CSV に書き出す自社ツールです。予想や買い目は出しません。保存できるのは2016年10月1日以降のレースです。
- BoatData Collector Pro:6,000円(買い切り・note。ココナラでも6,000円)
- 分析版 BOAT DATA PRO:10,000円(ココナラ)。集めたデータを進入コース別・選手別などに集計する画面つき
- 無料版:直近30日まで(LINEで受け取り)
価格は2026年11月7日の表示です。変わることがあるので、買う前に各ページで確かめてください。Windows 11(64bit)用です。
確かめたことと、データでは分からないこと
- 公式の説明は、BOATRACE 公式サイトの場の紹介・場情報と、ボートレース児島の公式サイトで読みました
- 潮(満潮・干潮・潮位)は、記録に列が無く数えていません。月の形などからの推定もしていません
- 風向き(追い風・向かい風)は数えていません
- 海水の浮力、5コースの助走の長さなど水面の形の話は、記録に列が無いので、データでは確かめられません。公式の説明をそのまま載せています
- 1Rの番組の組み方は、児島の公式サイトで確かめました。まだ確かめられていないこと: 6Rの番組の中身(2026年4月に9Rへ移り、説明が残っていない)と、秋に1号艇が低い理由
- どの数字も過去の集計で、今後のレースの結果を保証しません
まとめ
児島は、潮の満ち引きを今の記録では数えられない場です。そのうえで数えると、1号艇は全国並みで、決まり手が差しの側に寄っていました。
- 1Rは出走表の副題を見る。「朝得ガァ〜コ戦」のレースは1号艇75.66%、それ以外の1Rは53.99%。6Rも57.86%と全国の47.93%より高い
- 直前情報の風速を目安に見る(数えたのは本番の記録)。0〜1mなら、まくりは8.85%(全国13.80%)、差しは16.10%(全国11.82%)。まくりの少なさは児島全体で12.42%(24場で4番目に少ない)
- 満潮・干潮で本当に変わるかを知りたいなら、潮汐表の時刻を AZ列に写し、差しとまくりの割合を数える。風0〜1mの行だけでも数えて、風の弱さと潮が重なっていないかを見る
潮の扱い方は、同じく潮の話が多い宮島競艇の特徴でも書いています。場ごとの1着率の並びは競艇24場の枠番別・コース別1着率にあります。
LAB 記録(読み飛ばしてかまいません)
- 研究用データベースを読み取り専用で開いて数えました。計画は数える前に書きました。1号艇・風・差し・レース番号は計画どおりです。まくりの少なさと差し系の多さを主役にしたのは結果を見てからです
- 結果を見てから足した集計は、風速帯ごとの決まり手、3m以下のまくりの24場の並び、差しとまくり差しの合計、1Rと6Rの副題、秋の年ごと、1Rと6Rを除いた1号艇です
- 差と呼んだ条件は、全国との差の95%の幅が0をまたがない、1.0ポイント以上、前半(2023〜24年)と後半(2025〜26年)で同じ向き、の3つです。差しの+1.01ポイントは、条件の境目ぎりぎりです
- レース番号は12個比べているので、1つだけなら偶然も混ざります。1Rと6Rは4年とも同じ向きでした
- 風3m以下のレースに限っても、まくりは11.39%(全国14.77%)で、24場で5番目に少ない値でした
- 冒頭の質問は Yahoo!知恵袋の質問で、ZEN AI LAB の悩み調査(2026年11月5日)で記録したものです。児島についての質問ではありません
- 波高と風速が同じだった割合は、ZEN AI LAB が10月31日に24場で数えた値です(本番の天候の記録)
- 期間は2023年1月1日〜2026年9月22日、開催は719日です。全8,640レースのうち中止の12レースを除きました。艇ごとの CSV にすると51,840行です
- 比較先は全国207,662レース(全210,600レースから中止を除く)で、児島自身も含みます
- 児島の公式サイトにはコース別1着率の表もありますが、WebFetch の要約で返った期間と値の対応が取得ごとに食い違ったため、本文・この記録とも使っていません
- 児島の公式サイトの水面特性は要約でしか読めていないため、原文の引用はしていません。潮汐表のページの中身は、この記事のために開いていません
- 15マスの手間の数は、レースの行数(全8,640レース)からの推定です
- 締切の時刻ごとの1号艇も数えましたが、全国にはナイターの場が混ざり、時刻とレース番号の組み合わせが場ごとに違うため、本文では使っていません
- 30日のレース数は全日を起点に30日ずつ数えた中央値です
- 取得は2026年9月28日、ツールのコマンド操作によるものです。取得元は非公式の API と公式の配布ファイルです
- 公式は2026年11月6日に、BOATRACE 公式サイトの2ページ(場の紹介・場情報)と、児島の公式サイトの2ページ(トップ・水面特性)を1回ずつ読みました。児島の公式サイトの水面特性は要約でしか読めず、引用はしていません。販売ページの記述は2026年10月29日の保存分によります

